2度目。ーー婚約者候補者達とのバトルII・17(ドナンテル&ノクシオ編結)
水面下で私とプライアリ・コッネリ公爵令嬢とのやり取りは済んだし、ドナンテル殿下に話を通したからノクシオ殿下にも話は通るはず。そして殿下方の様子を見るに、殿下方のお眼鏡に叶うお相手も何人かいたようです。となれば、コッネリ公爵の一件が片付けば私が“筆頭”の座からも婚約者候補者の座からも降りる事は出来そう。
表向きはこれからが殿下方のお相手の資質を見るための競い合いスタートですが、私は既に競い合いが終わったつもりになってます。まさか、競い合いのための顔合わせで殿下方がお相手候補を見つけるなんて思いも寄らなかったので、幸先良し、でしょうか。とはいえ、全ての王女殿下方及び令嬢方と交流が持てたわけでは無いでしょうし、他国の王女殿下方とご令嬢方は自国へ帰国された後が、競い合いのスタートのようなものですから。
気が抜けないでしょうねぇ。
私は高みの見物と参る所存です。だって、殿下方の婚約者候補者を辞退しますし、コッネリ公爵を失脚させる事が最優先で、何とかしてしまえば晴れた私は自由の身ですもの。殿下方の『友人』としてアドバイスを求められる事になれば、アドバイスはするでしょうけれど。基本的に私は無関係ですからね。殿下方の女性を見る目が有る事を期待します。
さて。宴はお開きになった模様ですし、これで寮の自室に戻りましょうか。ちなみに他国の王女殿下方及び令嬢方はわざわざこのために集まって下さったわけですから、王城へ泊まるそうです。まぁ警護の観点やら政治的なアレコレを考えれば、それがベストですよね。数日は(競い合いのためだと思いますが)滞在されるようですし、殿下方は暫く学園をお休みして、公務として他国の賓客方(王女殿下方及び令嬢方)をおもてなしするようです。
その間は、私も殿下方お付きの侍女さんから刺繍やレース編みを教わる事は出来ませんし、課題や分からない点を中心に勉強しておきたいですね。後はラスピリア・コッネリ子爵令嬢様とも話をしておく方がいいかしら。ラスピリア様とプライアリ様を引き合わせる事も必要かもしれません。後は……
ああ、そうです。ボレノー様にも進捗を話してロズベル様の件も色々と打ち合わせする必要があるでしょう。というか、ボレノー様は元々そのためにこの国に留学して来ているわけですからね。ボレノー様も安堵したいはずです。ロズベル様の件に見通しが立てば、帰国する事にもなるでしょうし、もしかしたら留学も取り止めになるかもしれませんが。そこまでは、私の感知する事では無いですしね。
私も、いい加減、前を向くことにしましょう。ドミトラル様を探すのが怖い、なんて言っている場合では有りませんものね。探さなくては会えないかもしれないですわ。
取り敢えず本日は早めに寝ます。さすがに今日は疲れました。明日以降に備えて英気を養うのも、令嬢の務めです!




