2度目。ーー婚約者候補者達とのバトルII・16(ドナンテル&ノクシオ編)
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私が対峙しておく相手はもういない。後はもうお開きになるのを待つばかりだ。ドナンテル殿下に説明をしておいたからノクシオ殿下にも話は通るだろうけれど。
あらぁ? ノクシオ殿下、あのお方と随分親しげ……という事は! 私、もしかしてお役御免⁉︎ ノクシオ殿下のお眼鏡に叶う相手が見つかったのね? もしかしてドナンテル殿下もそうかしら。となると、婚約者候補者同士の競い合いは無しになるか、有っても出来レースね。……ふむ。それなら私は手を抜いても許されるんじゃない?
肝心のコッネリ公爵の“娘”は、父親の失脚を望んでいて殿下方の婚約者には興味無さそうだったし。殿下方のあの様子を見れば、収まるところに収まった気がするし。さっさと“筆頭”の座からも婚約者候補者の座からも降りたいわね。“友人”の称号も返上したいところだけど、アレは正式に公の場でもらっちゃったものだから簡単に返上は出来ないだろうから貰っておくけれど。
これなら、コッネリ公爵を失脚させてその後の始末は殿下方の父……国王陛下にきちんとお願いしたら、私は自分のことに専念しましょうか。他に懸念事項も無かったわよね!
ーーじゃなかった。有ったわ、懸念事項。ロズベル様という存在が……。その問題まで片付かないと、私は自分に専念出来ないわ。2度目のロズベル様が随分とおかしなご様子だからヴィジェスト殿下もロズベル様を恋人に出来ないのではないかしら。私はそう思うのよね。一体ロズベル様に何が起こっているのかしら。
そしておそらく、私とヴィジェスト殿下に2度目の人生を生きている記憶があるのは、ロズベル様の言動や年齢差のおかしさが関係するような気がします。それに。コッネリ公爵を失脚させる事はおそらく1度目でロズベル様を養女とした一件とも関係あると思います。大体、今なら分かりますがコッネリ公爵は、子どもが沢山いるわけですもの。わざわざロズベル様を娘にする必要なんてどこにもなかった。それなのに1度目では養女に迎えた、と言っていた。
それはつまり。ロズベル様の価値を知っていたからに他ならないのではないでしょうか。
ノクシオ殿下曰く、私が1度目の人生で見たロズベル様のロケットペンダントの中身は、前王弟殿下の紋章だとか。それはロズベル様が前王弟殿下の血筋を意味するのでしょう。娘か孫? おそらく孫ね。だってあの方、タータントの子爵令嬢だったのだから。それ故にヴィジェスト殿下とはちょっと身分差があって婚約者候補者になれなかったから、密かに恋人になって愛を育んでいた……わけ……って、それもそれでおかしいわね!
子爵令嬢で身分差がどうのこうのって言うなら、どうして今回のヴィジェスト殿下の婚約者候補者を集めたあのお茶会に子爵令嬢も男爵令嬢もいたのよ! 王家の意向で集まったご令嬢方でしょう⁉︎ 今回は下位貴族の令嬢方もいたって事は、身分差なんかなんとかなるって事じゃないの! それなのにロズベル様は許されなかったのは何故? 子爵令嬢だからでは無い。ヴィジェスト殿下と乳兄弟だから? いえ、でも、それが理由なのは弱いと思う。だとするともしや王家は何かしらロズベル様に問題が有る事を事前に把握していた?
ああもう!
次から次へと分からない点ばかりだわ!
お知らせ。
皆様、何となくお分かりでしょうが、200話目前でも完結しません。
そんなわけで、200話記念の話をそのうちアンケートで調査します。という予告です。




