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成る程。では、お互い不干渉といきましょう。  作者: 夏月 海桜
学園生活2年目は婚約者候補者とのガチバトル⁉︎2
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2度目。ーー婚約者候補者達とのバトルII・9(ドナンテル&ノクシオ編)

本日2話連続更新です。

でもまぁ必要最低限の条件と言えばそれまでですよね。これを競い合う、と。採点方法や人物評価等は誰がやるのか知りませんが、まぁこの宰相様はいらっしゃるんでしょうねぇ。というか、今、気付いたんですけど。


「コッネリ公爵が宰相じゃなかったでしたっけ?」


ポソっと呟いた私に、ノクシオ殿下が仰いました。


「去年、学園に押し入って来たでしょ」


押し入って……まぁ間違いではない表現ですかね。私が頷けば、ノクシオ殿下が続ける。


「そしてケイトにあしらわれたでしょ。それが父上の耳に入ってね。いくら宰相でも正当な理由も無しに未来ある若者達の学ぶ場に権威を振り翳して入って行くのはどうかと思う、とか言って謹慎処分を降してね。ついでに宰相位をコッネリ公爵1人に任せず、もう1人任を与える。って押し付けられたのが、今説明しているセルセー伯爵だよ」


国王陛下の耳に入ったというより、あなた方が訴えたんじゃないんですか?


まぁそれはさておき。成る程ね。コレはチャンスとばかりに謹慎に追い込んで、まぁそれくらいで宰相位剥奪とか降爵処分も出来ないだろうけど、宰相が謹慎処分と言うのは国政が回らないとかナントカで、新しく宰相位を与えられたのがあの方だ、と。


「ちなみに?」


私のセルセー伯爵とやらはどのような人物です? という言葉にならない質問には、ノクシオ殿下が短く答えられた。


「毒にも薬にもならない」


それは妥当な人選ですね。コッネリ公爵も国王陛下にちょっとだけ煮湯を飲まされたとはいえ、自分が居ない間の急な人選ならこの程度だろう。と考えた事でしょうし。コッネリ公爵が睨むような人間では無いし、おそらく日和見主義とまでいかなくとも、セルセー伯爵とやらはそこまで権力に固執しないのでしょうから。仮初に与えられるならちょうどいい、と言うと失礼かもしれませんが、ちょうどいい人なんでしょうね。


競い合い内容、つまり王妃或いは王子妃になるための条件を発表し終えたセルセー伯爵は、ホッとしたのか挨拶したらさっさと帰ってしまわれた。……いやいやいや、今日中にこの人数の令嬢達全員が一気にやるの? えっ? 嘘でしょ? 何日かに分けるとか、今日中にやるなら審査員が何処にいて、令嬢達を8つに分けて各審査員の元に向かわせて……ってやるんじゃないの?


私どころか、集まった令嬢達がポカンとしているよ?


「皆、本日は説明を聞いてくれて感謝する。この後、誰が審査するのかも、いつ審査があるのかも、何処でやるのかも、審査方法も、説明しない。普段通りに生活をしてもらいながら、少しずつ令嬢方を招くようだ。他国の王女殿下並びに貴族令嬢方も普段通りの生活でお願い申し上げます。審査員がそれぞれの国に参り、審査をするそうです。もちろん、いつ審査員が向かうのかも不明ですので」


置いてきぼりになりかかった私達に、ノクシオ殿下が声を張り上げて伝えた。……えええっ⁉︎ これだけの令嬢方が一堂に会しているのに? 説明だけ? わざわざ都合を付けてくれた方々なのに? 抗議されてもおかしくないと思うんだけど⁉︎ 実際、不満そうな声の令嬢方がかなり居るようで私の耳に届く。ノクシオ殿下もその辺は解っているからか、ニコリと対外用微笑を皆様に向ける。皆様がその微笑に魅入ったのか黙ったところで、今度はドナンテル殿下が口を開いた。


「とはいえ、今日のためにお集まり頂いた美しい王女殿下・令嬢方のために、ささやかながら宴を開きたいと思います。そのための準備は既に整っておりますので、学園のダンスホールまで足をお運び下さい」


こちらも対外用微笑を貼り付けていた。胡散臭い微笑みはともかく。美味しいモノは私も食べたいですね。

お読み頂きまして、ありがとうございました。

明日の更新も夜……かもしれません。

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