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成る程。では、お互い不干渉といきましょう。  作者: 夏月 海桜
学園生活2年目は婚約者候補者とのガチバトル⁉︎2
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2度目。ーー婚約者候補者達とのバトルII・8(ドナンテル&ノクシオ編)

お待たせしました。

明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願いします。皆様の1年が幸多きものとなりますように。

本作を楽しみにして下さっている皆様、どうぞ引き続きお願いします。

ちなみに壇上に居る私の後ろにデボラは控えていますが、彼女は上手い具合に目立たないよう立っています。まぁカーテンに隠れている的な感じだと思ってもらえれば分かりやすいでしょうか。私はきちんと扇子で口元を隠していますからね。何を話しているのか殿下方くらいしか分かりません。


「お嬢様」


「なに?」


「ナイゼルヌ侯爵令嬢様がいらしています」


「……ええええー」


デボラの忠告に一気に不満爆発です。めんどくさい。ヴィジェスト殿下を狙っていたんじゃないですか?


「誰だ?」


ドナンテル殿下が気になったのか、口を挟んで来ますが、宰相様が挨拶を始めたので「後程」とだけ返しました。先に競い合いの内容を知りたいです。そしてそこそこの成績では殿下方の“筆頭”の座は務まらないので……云々としおらしい事を言って辞退したいですからね。


「では。競い合いの内容ですが」


あら。婚約者候補者の皆様の空気がピリつきましたわよ。


「一。我が国の歴代国王陛下の御名を5人挙げる」


王族の歴史ですか。まぁ全員じゃないだけ覚えやすいですわね。


「二。書類仕事の速さと正確さ」


ああ、これは大事ですね。執務って書類仕事ですもんね。


「三。新たな事業の提案」


ふむ。採用されるかどうかは別として、国を豊かにする腹案があるかどうかという事ですね。


「四。語学力。帝国語・共通語・古語は最低でも必要ですが、更に覚えているのなら他国の言語を教えて下さい」


まぁそうですよねぇ。王妃・王子妃が自国語以外不便だらけなんて笑い話にもなりませんからね。外交は男だけの仕事では有りません。他国の言語が分からないで自国に不利を招いたら目も当てられないですし。


「五。礼儀作法と教養。教養につきましては、自信がある方は演奏も可能です」


ああ。鍵盤楽器を習っている方もいますもんねぇ。前世で言うピアノやオルガンに似た楽器がこの世界にも有ります。私は経験無いので無理ですけどね。鍵盤楽器どころか金管楽器に木管楽器等、楽器全般未経験なので無理です。音楽系の教養は知識のみで対応ですね。


「六。ダンス」


まぁ必須ですからねぇ……。運動苦手な方は大変ですよね。


「七。護身。これは皆様が護身術を修めていなくても侍女が変わりならば問題ないです」


王族の妃ですからね。命を狙われる事は多々有りますもんね。その際、自身が戦えずとも、侍女が戦えればそれで良いということでしょう。あらら、コレは随分と騒めきを招く条件みたいです。でも、そういう事ですよね。いつどこで刺客に襲われるか分かりません。その際に必ず護衛が居るとは限りません。お手洗いに護衛が付いて行くことは無いですからね。侍女です。その時に刺客に狙われたら? という事です。


「八。これで最後です。他に細かく条件は有りますが、先ずこの8つの条件を最低でもクリアして欲しいもので。八は、自分の価値です」


……成る程? どれだけ自分に価値が有るか分からないと万が一誘拐でもされた場合、交渉材料にもならない、という事でしょうかね。例えば学園で常にトップで有り続けることが出来る学力、とか。例えばこの国も自国も含めて周辺国の歴史を数百年分覚えている、とか。領地経営の経験が有る、とか。どこぞの商会を後押しして、商会を儲けさせている事で先見の明があると思わせる、とか。


そういった他の人には無い自分の価値をアピールしろ、と。結構エグいこと考えますね、国王陛下。お会いした事がないけれど、さすがノクシオ殿下の父親、と言うべきですかね。こんなエグいことを考えられるなんて腹黒と見受けます。

今日から3日間、2話連続更新となりますのでご注意下さい。

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