2度目。ーー婚約者候補者達とのバトルII・7(ドナンテル&ノクシオ編)
大変お待たせしました。
やっと執筆時間が取れました……。
本日は王命により学園が貸し切り状態です。……何に王命出してんの? ってツッコミはしてはならないそうです。学園中に本日の競い合いについて話が通っていますし、学園長始めとした教師陣も王命である以上、抵抗はないので学園の言わば講堂に婚約者候補者が一堂に会しています。ちなみに他薦が必要で自薦のみだと落とされてます。……婚約者候補者ってそうやって集めるんだっけ? もっと政治的な絡みとか身分とか学業の成績やらマナーやら諸々込みで厳正な審査の結果、婚約者候補者になるんじゃなかった? えっ? こんな芸能界のオーディション的な感じでいいんだっけ?
そんな事を思った私は悪くない。
何しろ数が……半端ない。この国の男爵位以上の貴族令嬢(婚約者無し)プラス周辺国の王女・公爵・侯爵位以上のご令嬢方がいるのだから。……というか。高位貴族や王女殿下って婚約者が居るもんじゃなかったっけ……。なんでこんなに人数いるの。10や20じゃ済まないよね。
ちなみに各王女殿下と令嬢方にお付きの侍女が1人付き従っているので、目一杯の人数がここにいる。この半分が婚約者候補者って言っても多すぎだよね。
「ねぇ、デボラ」
「お嬢様の疑問に先にお答え致します。周辺国の王女殿下方の中でご辞退されたのは、この国よりも強い国との縁談がある王女殿下方のみで、あとは婚約解消されている国が2。その他は元々婚約を結んでいない方達のみです」
優秀な侍女の説明に頷きながら、婚約解消された2国は大丈夫かしら? と思う。下手すると戦争の要因になりかねないからだ。そうなれば真っ先に犠牲になるのは国民である。騎士も兵士も国民と言えばいいだろうか。命の尊さが分からない者程戦争をしたがる傾向にある。
「大丈夫です。婚約解消と同時に莫大な慰謝料をもらった上、婚約時に交わした契約は両国とも続くと知ったので、戦争にはならずにスムーズに婚約解消が出来ています」
……本当に優秀な侍女です。私の思考を読み取ってきてある意味怖いです。
「それから公爵家・侯爵家の方ですが。そちらも上手く婚約解消が成り立った家やそろそろ娘に婚約者を……と考えていた家のみです。この国の男爵位以上のご令嬢方は、そもそも殿下方に婚約者が居ない事は解りきっていましたから。簡単に婚約していなかったんですよ。親が。正妃は無理でも側妃を狙っていたようです」
……ああ、そういうこと。だからこれ程の人数の令嬢方が此処にいるのね。それにしても。此処が学園の講堂なんて忘れてしまいそうです。熱気が凄くて、令嬢方の視線が怖いですわ。思い切り睨まれていますし、ね。私は何の嫌がらせ? と殿下方に小一時間問い詰めたくなるような立ち位置なんですよ。
“筆頭”婚約者候補者。
なので、婚約者候補者達と一線を画すとかなんとか、殿下方が2人して言い募るので、私は現在、競い合い内容を発表する宰相様待ちなのだが、その私の隣に両殿下である。
どういう事か、と言うと。婚約者候補者達は講堂の言わば観客席に座っているけれど。私は殿下方同様に壇上。注目を浴びている側です。……一線を画すためにコチラだと。睨まれてますけど? 視線に嫉妬どころか殺意が紛れてますけど? この視線に晒されながら競い合い内容を宰相様から聞かねばならないのに。なんで私の両隣に殿下方が立っていらっしゃるんですか。普通“筆頭”とはいえ、婚約者候補者の私が殿下方と同じ位置に並び立てるわけないじゃないですか。それが貴族間での暗黙のルールなのに、そのルールガン無視の私が嫉妬どころか殺意の視線を浴びるのは当然ですよね。
殿下方、実は私が困ったり振り回されてオロオロしたり……という姿を見て嘲笑するのが好きなんですか? 私はあなた方のオモチャじゃないですよ? 実は殿下方、本当は私を『友人』だと思っておらず、嫌っているんでしょうかね?
明日も……夜、かもしれません。
お読み頂きまして、ありがとうございました。




