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成る程。では、お互い不干渉といきましょう。  作者: 夏月 海桜
学園生活2年目は婚約者候補者とのガチバトル⁉︎2
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2度目。ーー久々に皆様のお顔を拝見しました。・5

いつもお読み頂きまして、ありがとうございます。

「参ったな。こんな短い時間で私の立ち位置を見抜いて来るとは。さすが、あの伯父に憎まれる人だね」


淑女に有るまじき言葉遣いと大笑い。やはりギャップにやられてしまいそう。とはいえ、いつまでも此処で話しているわせにもいきません。ラピスリア・コッネリ子爵令嬢を私の部屋にお通ししました。


「あなた様のそういった態度から推察するに遠回しの言い方をした腹の探り合いは嫌だと思われます。単刀直入に伺いますね。コッネリ子爵令嬢は、伯父様の手足として私に近づいたのです?」


彼女の事はクルスに探ってもらう事も出来ますが、それをするとこの手の方は、機嫌を損ねます。なので、ハッキリと突き付けてみました。


「あなたは聡明でもあるんだね。……いいや。伯父は私を駒にしたいだろうけれど、私は伯父の手駒になる気は更々無くてね。再三、あなたに近づけ、と言われてはいたよ」


私より2歳上だと言うラピスリア様は、私の目を見て話します。……ふむ、今のところ、嘘だとは感じません。これで嘘なら私が未熟というだけです。


「では、何故今年は近づいていらしたのです?」


「伯父を殿下方の見ている前で追い払ったと聞いた時から興味を持ったんだ。でもあなたに近づくのは、伯父の思惑通りで嫌だったんですよ。でも、昨年度末。1年目であるはずのあなたは、隣国の出身であるのに、殿下方の友人どころか筆頭婚約者候補者の立ち位置に着いた。……殿下方は伯父の思惑通りに行動しなかった。伯父に逆らった殿下方。まるであなたという存在に元気付けられていた。だから近づいたんだ」


……うん。この方の話し方は本当に淑女とはかけ離れていますねぇ。どちらかと言えば、武人っぽいですかね。嫌いではないですけど。


「そうですか。コッネリ子爵令嬢様は、殿下方の筆頭婚約者候補者の立ち位置に着いた私が気になった、と」


「ラピスリアでいいよ。……うん、そう。先程君に絡んでいたのは、君がいなかった時に殿下方の婚約者候補者として選ばれた中で、一番婚約者の座に着くだろう、と目された令嬢だったんだ」


「……そんな事だろうと思いました」


私が殿下方の『友人』である事は、1年目で、直ぐに知らしめていた。それなのに今更先程のようなことが起こったのだから、まぁそんな理由だろうなぁ、と思ってましたよ。


「あなたは……殿下方がどういう状況なのか理解しているんだね」


「これでも友人、ですからね。それで? 私に近づいたあなたの目的は?」


「……今まで」


何度も躊躇いながら切り出したラピスリア様は、そこで一旦言葉を切ると、大きく深呼吸してキッと私を睨むように口を開きました。


「今まで、伯父の横暴に対して手を拱いていた。父も伯父には敵わず逆らえなかった。だけど、私達親子は伯父の横暴を見過ごしたいわけじゃないんだ。どうか、あなたの手を貸してもらえないだろうか」


あらまぁ。そういった話でしたか。……ふむ。これは悪くない案ですね。コッネリ公爵は、私もお父様も煮湯を飲まされているので仕返ししたいですし。ただ、仕返しするにしても、コッネリ公爵の場合は失脚させるくらいでは逆に追い詰められたから、と何を仕出かすか分からない気がしていたんですよね。


だから、失脚させたとして、その後のことをどうするのか考えるのが億劫だったんですよねぇ。身内の始末は身内で。という事で、コッネリ公爵を失脚させる事に協力はしますが、その後をどうするのか考えてもらいましょうか。……えっ? 美味しい所だけ持っていって、後始末を押し付けている? 誰ですか? そんな事を言っているのは。……まぁ事実ですけども。

誤字と思われないよう念のためですが。


本文中の【伯父】は、この漢字で合っています。父方・母方関係なく、自分の親の兄または、姉の夫は【伯父】の漢字を使用します。


【叔父】という漢字は、父方・母方関係なく、自分の親の弟または、妹の夫の時に使います。


昔、誤用だと思われて指摘された事が有りましたので明記させて頂きました。

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