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成る程。では、お互い不干渉といきましょう。  作者: 夏月 海桜
学園生活2年目は婚約者候補者とのガチバトル⁉︎
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2度目。ーーだから、反省の意味とはなんでしょうねぇ?意味を考えて実行してくれ。・1

翌朝。食堂で全員が揃った所でお姉様に睨まれました。別に怖くないけど、反省の意味とは? 意味だけじゃなくて実行して! 本気で思うのですよ。そんな風に睨まれて反省しているって誰が思うんでしょうね。挨拶をした後でスープから供されつつお父様が「そうだ」と声を上げられました。


「皆に話しておこう。バートンが自ら罰の変更を申し立てて来て、自分はそれを受け入れた」


罰の変更? お父様のことです。軽い罰なら許すわけがない。でもお父様は受け入れたと仰った。それではきっと、バートンは重い罰に変更したのだろう。……ちなみに、それに気付いたのはお姉様以外。お姉様は喜色満面でお父様の話を聞いている。


「バートンが? やっぱり幽閉同然なんて罰が重いと思って自ら嘆願したのですね⁉︎ そしてお父様も罰が重いと思ったからこそ、それを受け入れたんですね? そうですわよね! 幽閉同然なんて!」


お姉様、お父様の顔を見てます? 都合良く解釈し過ぎ。全然今回の事態が重い事なんて気付いていないお姉様の発言は、お父様を怒らせてますけど。


「幽閉同然の状況は寧ろ軽い罰だ。幽閉同然で女を宛てがって子どもを作れって言っただけだからな。お前は今回の一件、なんだと思っているんだ!」


あー。お父様がさすがにお姉様を甘やかしていられないって分かったみたいだね。お姉様を怒鳴るなんて初めてでしょう。お姉様も顔色真っ青だし。お母様も拙いって顔だよね。……だから甘やかし過ぎたんだってば。

ちなみに。お兄様・私・ロイスは、このお父様の怒鳴り声は1度ならず経験しているので、反応しません。辺境伯家の子として、自分の身を守るために戦い方を教わる私達。他の家はどうだか知りませんけど、1度は獣達と命のやり取りを経る。その際、獣の命を奪う事を躊躇えば、途端にお父様に怒鳴られます。


ーー死にたいのか!


と。病弱だからってこんな経験もしてこなかったお姉様は、お父様に怒鳴られて真っ青な顔で涙目になってお母様を見てます。お母様、そこで助け舟を出したら、私はあなたを辺境伯の妻・辺境伯家の女主人・辺境伯家に生まれた子を持つ母としてのあなたを見限ります。

何しろ、獣と命のやり取りを経て命を奪う事の重さを味わって心身共にヘトヘトでも、お父様に怒鳴られて気を抜く事を許されなかった私達だ。でもそんな状況の私達を、お母様が労ってくれた事など無いのだから。


それが辺境伯家に生まれた子にとって当たり前だとしても、病弱のお姉様を選んで来た母を何とも思わないわけじゃない。それでも辺境伯の妻として、家の女主人として、辺境伯家の子の母として、振る舞って来たのですから、お姉様に対してもそうして下さいね。


チラリとお母様を見れば、一瞬だけ目を閉じてからお姉様を見据えてます。ーーあ、これは“辺境伯家の子を持つ母”の顔ですね。


「キャスベル。お父様の仰る通りです。あなたは今回の事態を何だと思っているんですか? 辺境領地の守りが失せるかもしれなかったのですよ」


「で、でも、お母様! 結局、大丈夫だったじゃないですか! それなのにバートンは何もしていないのに……」


「何も? 何もしていない、と思っているなら、私は確かにあなたを甘やかし過ぎたのでしょう」


お姉様の発言にお母様が眉間に皺を作っていらっしゃる。うん、まぁ確かに。今回の事態を重く受け止めていない上に「バートンは何もしていない」と発言しちゃうのは、どれだけバートンに盲目なんだろうって話です。あれだけバートンに性格悪いとかバカとか言われたのにね。お姉様、ちょっと脳内花畑じゃないですかね?

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