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読んでいただきありがとうございます。章の編集は後ほど行います!

「んねぇ~。まだ攻めないの~?」


「こらこら、ミロク。少し落ち着きを持ちなよ」


「だってさあ?数で押し切っちゃえばいいんじゃないの?」


「それじゃあ、敵の思う壷になるかもしれねぇだろ。ちっとは、その脳みそで考えろよ」と、ワールドトリガーは東の領地──野営地点で設備されたテント内で会議を行っていた。


時刻は夕暮れ時──


中央領地の騎士団と睨み合いをし、三週間が過ぎようとしていた。迂闊に手を出せないのは、相手の力量を測るには余りにも情報が不足、もとい錯綜しているからである。だがそれもそのはずだ。なにせ、中央領地を落とした数は五〇〇も満たないと聞いている。


戦略だけで万の相手を屈服させるのは理に反していると言えるだろう。故に皆が恐れおののき、様々な憶測でものを語るのだ。やがてそれは、火のように広がり熱を持つ。


──嘘は真実に足りえ、真実は嘘になり得るのだ。


士気を高めるにしろ、火を消すほどの情報量がいる。不思議なのだ。なぜ、西と東、両バサミ状態にも関わらず、これといって吉報が届かない事が。


絶望的状況を打開する秘策があるのか。彼らの悠々とした態度が、逆にシーカー達の不安感を煽る。


「シーカー様。ご報告があります」


そんな中、焦りを隠せない様子を浮かべた騎士がテントに入ってきては頭を下げた。辺りは静まり返り、ワールドトリガーを含む数十名の視線は一気にその騎士へと向けられる。


「良いぞ。喋ってくれ」


シーカーの許しに、騎士は張り詰めた空気を飲み干すかのように肩を上下させてから顔を上げる。


「海上からの進行を見張れと言われ、していました所──三〇〇〇隻を超える軍隊が姿を見せました!!」


「海上に三〇〇〇隻を超える船だと?」


「奴らも本腰を入れてきたって事だね~。どうするの?シーカー」


船での侵略は間違いなくエルフ達だろう。よりにもよって、こんな時に大軍を導入するだなんて。進軍が予想出来ても、数までは想像がつかなかった自分をシーカーは恨んだ。


口の端を噛み、神妙な趣は崩れ落ち。眉間にはシワが寄った。いい手がないものか。考えてはみたものの、当然思いつくはずもなかった。


「シーカー様!!」


「つぎは何だ!?」


再び入ってきた伝令役は、立膝をつき頭を下げる。


「東と中央の境目に謎の隊が姿を現しました……!!」


「伝令!!王都アヴァロンに謎の集団!!」


この時、初めてミロクの表情には動揺が生まれる。口で咥えていた爪楊枝は地面に落ち、後頭部で組んでいた腕は解けた。


「いやいや……それって」


「ああ。最悪にして災厄が訪れようとしている。巫山戯るなよ。こんな所で起こさせてたまるか……!我々は、後退し王都を守る」


「お言葉ですが、境目に現れた者たちは──」


「丁度いい。中央領地の奴に対応してもらうとしよう。海上に現れたもの達も、集まるとしたならアヴァロンか此処だろう」と、シーカーが苦渋の決断をする数時間前──


「何かしらね、この嫌な感じ」


中央領地──ダース。その中で最も栄えている都市エーテラの中でも一番の規模を誇る屋敷内にてジャンヌが言葉を漏らす。

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