1章 3話 深い海
ずいぶん久しぶりの投稿
どれくらい経ったのかは分からないが僕は少し寝ていたようだ
ザザーン。ザザーン。
波の打つ音が聞こえる。空はいつの間にか灰色の雲に覆われていた。
もうすぐ雨が降りそうだな~と思いながら僕は起き上がった。
ふと周りを見回すが結衣がいなかった。
また隠れて俺の事を脅かそうとしているんだろうと思いながら慎重に結衣の事を探しに行った。
「結衣~~、どこに隠れているのかなー」
呼びかけても応じなかった。
僕の脳内には昨日の夢の事が横切った。
まさかとは思うが本当にいなくなってしまったわけではないだろう…
僕には少しづつ焦りが出てきた。
心臓の鼓動も早くなってきた。
「結衣ー、どこにいるんだーー。早く返事をしてくれよ~。」
見つからない…
どこのもいない…
目の前にあるのはどこまでも青く澄み切っている海だけ。
だけど今ではその海でさえきれいには見えず、黒く染まっているように見える。
そのまま探しつづけて約一時間がたったころであろう。後で親に聞いたが僕は探し疲れてしまい砂浜に倒れていたようだ。浩介が倒れているのと結衣がいないのに気付いた親はすぐに僕の事を病院に連れていき、結衣の捜索願を出したそうだ。
僕は病院で目が覚めると横には眠っていた母がいた。
「うっ...」 体を起こそうとするが痛くて動かない。
「起きたの、、、よかった。私の事分かる??」
「僕のお母さんでしょ??当たり前じゃん。いきなりどうしたの」
「ちょっと確認しておきたくて」
この時僕はまだ何も知らなかったのだ。
「結衣は 結衣はいるの?? 見つかったの???」
「大丈夫、結衣ちゃんは無事救助されて今は同じ病院にいるよ」
「じゃあ会いに行ってもいい??」
「......いってもいいけど覚悟を決めておいてね......」
見つかって救助されたのはいいがそんなに重症だったのか???
僕は速足で母に教えてもらった結衣の病室へ向かった。
静かにドアを開けると窓の外を眺めていた結衣がいた。特に大きな外傷は見当たらなかった。
「よかった結衣...無事で」
結衣はこちら側を見ていたが何も反応がなかった。
「結衣、どうしたの??? まだ話すのがつらいとかあるの??」
僕は結衣に近づこうとしたとき
「すみません、どちら様でしょうか」