第1話 美咲、始動
うっ、何だろ?
すっごく重い。
何かが私の上に乗っかってるみたい。
しかも、何だか肩あたりがスースーするような・・・・・・
「ん、んー」
私は恐る恐る目を開けてみた。
そしたら、普通に天井が見えた。
「って、あれ!?
私、生きてる・・・・・・私、生きてるよー!!」
「・・・・・・お前、起きたのか。
まぁいいが、じっとしててくれ。
あと右の袖を通すだけだから」
「・・・・・・」
前言撤回。
普通じゃありませんでした。
目が覚めたら、夢の中で出会った男の子にメイド服を着せられていました。
「っっっってなんでェー!!!!!」
「何でって、これを至急試着させてみて、合わなかったら至急送り返さないと返品できないからだ」
「えっ、もしかしてこれ全部君が着せたの!!」
「そうに決まっているだろう。
あと、俺のことを“君”って呼ぶな、“ご主人様”って呼べ」
「な、何で?
何で私が君を“ご主人様”って呼ばなくちゃならないの!?」
「あっ、動くなと言ったろ!!
はぁー、ここのリボンが結べないだろう」
「あっ、はい、すみません・・・・・・じゃなくて!!
何で君は私に服着せてんの!?
しかも、メイド服!!」
「あー、もうお前一々うるさいぞ。
口を閉じて黙ってろ、命令だ」
男の子は私の言うことをことごとく無視をし、着々と私にメイド服を着せていった。
そして、私は男の子の命令後、何故か急に喋りたくても喋れなくなった。
「よし、出来たぞ。
はぁー、着せるのに苦労した」
「・・・・・・」←私
「それにしても、他のところはちょうどいいがやっぱり胸のところが少しブカブカか?」
「・・・・・・」←私
「お前は着てみてどう思う?」
「・・・・・・」←私
「何だ、何か言ってみろよ」
「・・・・・・」←私
「あっ、そっか。
今、命令中か」
「・・・・・・」←私
「いいぞ、もうしゃべって。
命令を解除する」
「っっっっはぁー。
っていうか、その前に一ついいですか?」
「何だ、言ってみろ」
「それじゃあ・・・・・・
いったいどうなってんの!!!!そして君は誰!!!!」
私は現在パニック中です。