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君はそれを知ってどう思う?

「真由美は6月3日に交通事故で死んでしまうんだ。もぅ、時間がないんだ。」

伝えた。信じてくれるかはわからない。

「優。なにを・・・」

「僕は未来から来たんだ。真由美のいない世界でなんか生きてはいけない。だから過去にきて伝えに・・・ 助けにきたんだ」

「え・・・どういうこと」

真由美は困惑している。

誰だってそうだ。自分がもうすぐ死ぬっていわれて、すぐに理解できるわけがない。

それでも僕は言い続けた。真由美が好きだから。生きてほしいから。

「お願い。僕のことを信じて」

真由美はやっと落ち着つき、僕に一言伝えた。

「信じてるよ。」

「真由美・・・」

どうして信じてくれたんだ。こんな嘘みたいな話を。

真由美は僕の心を見透かしたように答えた。

「だって私は優の恋人よ?彼女が彼氏を疑う訳ないじゃない」

僕はその場で泣きそうになった。真由美の優しい言葉に。彼女が真由美でよかったと言う喜びに。


学校が終わり、僕の家で、真由美にすべてを細かく話した。

「へぇー。優は私が死んで悲しんだんだ~」

真由美はいたずらっぽく言った。からかわれているようだ。

「う、うるさいなー」

少し恥ずかしい。

そして僕は真剣な顔になって言った。

「真由美は明後日のことでどうするの。僕は真由美に生きてほしい。」

真由美は少し考え、そして・・・

「私はこのまま死ぬよ」

「え・・・」

真由美の言葉に理解するのに時間がかかった。やがて理解できた頃に真由美は、

「私は未来では死んでしまうんでしょ? ならそれに従わなきゃ」

笑顔で僕にいった。

「そん・・・な・・・」

僕は真由美の笑顔を見て、納得した。

あぁ、そういえば真由美は一度決めたことは変えないし、どんなことがあっても明るく前向きだったな。

「ごめんね優。」

真由美は申し訳なさそうに言った。 

「わかったよ」

僕は真由美のいない世界では生きてはいけない。どうすればいいだろう。

その時、真由美は微笑んで・・・少し涙目になりながらも

「ありがとうね優、大好きだよ。私の恋人でいてくれて本当にありがとう」

と言った。僕はその場で泣いた。また真由美と離れ離れになってしまう。

せっかく会えたのに。

「真由美・・・」

真由美は迷いのないまっすぐな目をしていた。さっきまでしていた涙目はもうなく、決心したようなまっすぐな目だった。

「優。ありがとう」

もう一度真由美は僕にそう言った。

「僕のほうこそ・・・」

それ以上言葉を出さなかった。

言わなくても通じあえてる。そんな気がしたから。








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