僕と檸檬の出会い
初めに僕と檸檬の出会いから話して行きます。
僕が檸檬に出会ったのは、年中さんの冬のある日。
僕は通っていた幼稚園に向かっていました。朝が苦手な僕は母さんに起こされ嫌がりながらも自転車の後ろに乗り、
冷たい風に打たれ母さんの暖かい背中にぴったりとしがみ付き幼稚園に送ってもらっていました。
幼稚園に着くと園長先生といつものように挨拶をして教室に入りました。何故か教室はざわざわしていました。
するとそこに先生と先生の後ろに身を隠した少女が教室に入ってきたのです。
「ほら、檸檬ちゃんみんなに挨拶して」先生が少女に声をかけると恥ずかしそうに
「檸檬です。よろしくお願いします」
「はい、みんな仲良くしてね」
檸檬はシャイな子なんだと4歳の僕にもわかりました。なかなか他の園児たちと打ち解けれず二階のベランダのベンチに1人で腰を掛け寒そうにしていたのを僕は放って置くことができなかった。僕はすぐに檸檬に声をかけました。
「俺、幸って言うんだ、よろしくね」
すると檸檬は恥ずかしそうに
「よろしく…」
それが僕と檸檬の初めての会話でした。
時々、クスッと笑う少女が見えたのでした。その日以来僕は幼稚園に行くのが楽しみで楽しみでワクワクしていました。しかし、少しずつ他の園児たちに打ち解けてきてなかなか話す機会もなく、1年が経ってしまいました。
2月14日バレンタインデー僕は初めて女の子からチョコを貰いました。そう、僕にチョコをくれたのは檸檬でした。
「これ、チョコあげる」久しぶりにみた檸檬の恥ずかしそうな顔、僕まで恥ずかしくなり受けとるとすぐお礼も言えず男の子達とサッカーをしに行ってしまいました。家に帰りすぐお礼の手紙を書きホワイトデーに渡そうと準備しました。
3月14日ホワイトデー僕は結局、檸檬に手紙を渡すことができず話すこともできないまま1日が終わってしまいました。
そして3月16日遂に卒園式、僕は檸檬にお礼の一つも言えないまま…
これが僕の初恋でした。