第二話 再会
前回に・が変なふうに打たれていた箇所がいくつかあったことをお詫びします。
今回は修正致しました。
学園長は会場の入り口を開け、中に入っていく。俺もそれに続いて中に足を踏み入れる。それと同時に飛んできたのは予想していたよりも優しい、そんな視線だった。俺が予想していたのは、もっと、こう、珍しいもの←実際珍しいものを見るような視線だったり、疎まれるような視線だった。だが、会場から来る視線は歓迎してくれている。そんな視線だった。
「…優しいんですね」
「ここに来ている者は皆、志を同じくする者たちじゃ。一部例外はおるが、ほとんどの者が普通に接してくれよう」
「そうなんですか」
なんかこの学園の人は皆俺の独り言に応えてくれている。そんなことに感謝を抱きつつ、俺は学園長について行ってステージの横で待機する。そしてステージに上がった学園長に紹介され、俺はステージに上がる。
「えー、今日は皆さんに紹介したい人がおる。通路の端にいた者は気づいていると思うが、転入生じゃ。上がってきてくれ」
「はい」
「彼が、今日からこの学園に転入することになった。宵待 総君じゃ」
「紹介に預かりました。宵待です。これからよろしくお願いします」
「「「…え?」」」
俺が声のした方を向くと、例の3人がポカンとした顔でこちらを見ていた。まあ事情はあとで説明しよう。とりあえず俺はポカンとした3人に手で小さく合図を送っておく。
「それと、彼のクラスは1=Aじゃ。Aクラスの皆は宜しく頼むぞ」
はーい、という声が聞こえてきた方を向き、軽く頭を下げる。
そんなこんなでとりあえずその会は終了し、俺は自分の教室である1=Aへ向かう。すると教室の前にはすでにAクラスの担任と思われる若い女性の職員がいた。
「あなたが総君ね?」
「はい。これからよろしくお願いします」
「ええ、よろしくね。じゃあ、入って」
そう言われて俺は教室に入る。
だいたい人数は40人ほどだった。それ以外にもこの学園には1学年につき20クラス(A~Tまで)あるので、ざっと2400人がこの学園に通っていることとなる。高校でこれかよ。そして教卓のところまで行き、俺は簡単に、ありきたりな自己紹介をする。
「初めまして。宵待 総です。これからよろしくお願いします」
「では、質問かなんかあるひといるかなー?」
そう先生が聞くと、あらまービックリ。全員の手が上がった。
「…どうしよっか」
「どうしますか?」
「ええい、1時間目は集会だったから2時間目は…私の授業じゃないか!よし!」
「へ?」
「Aクラスの諸君!2時間目はぁぁ!質問タイムだあああああ!!」
全-2「おおおおおおおおおおおおおおおお!」
「テンション高っ!」
「とーいうわけで!」
キーンコーンカーンコーン 丁度良いタイミングで授業開始のチャイムが鳴る。そして怒涛の質問ラッシュが始まった。
(ここからは分かりずらくなると思うので、目印をつけます)
先生「では質問タイムスタート!はいではまず1番!荒畑!」
荒畑「荒畑 太一だ!よろしく!で、質問はここにいる全員が考えているであろうこと!」
総「なんでしょう?」
荒畑「お、おお。普通に来たな。まあいい!それよりも質問だ!お前の名字って 宵待 だったよな?」
総「その通りです」
荒畑「じゃああのCクラスの3人となんか関係があるのか!?」
総「うーん、簡単に言えば従妹だよ」
荒畑「まじか!!」
総「おう、マジだ…あれ?」
総はなんだか自分がクラスに馴染めているような感覚を覚えた。なんだか楽しいからいいか。
荒畑「ん?どうした?」
総「いや、なんでもない。続けてくれ」
荒畑「お!溶け込んできたねぇ!でもまてよ?従妹ってことは親のトラブルとかか?」
総「いや、俺は元々孤児院出身でね。両親は戦争で失くしてる」
荒畑「…なんか、ごめん」
教室は静まりかえっていた。だが、それを破ったのはやはり彼女たちだった。
??「ちょっとぉーーーー!」
全「?」
??「あ、授業中失礼します。それより兄貴!どこいってたのよ!」
総「まあまあ陽奈、落ち着いて」
陽奈「落ち着いていられるわけないでしょっ!」
??「陽奈、少し落ち着きなさい」
陽奈「でも!」
??「いいから」
陽奈「うぅ…」
総「悪いね、月奈。ありがとう、助かったよ」
月奈「ええ。どういたしまして。でも本当は私も陽奈と同じ気持ちよ?」
総「お、おう。ってことは星奈も来てるのか?」
星奈「いるよー!久しぶり、お兄ちゃん!」
総「ああ、久しぶり」
荒畑「あのぉ~…」
総「ああ、ごめん。完全に空気にしてた」
荒畑「随分スパッといってくれるじゃねーか」
総「だから悪かったって、で続きは?」
荒畑「この状況を見たら無くなったよ」
総「そっか」
とりあえず
そこにいる3人は先生に任せて質問を受け付ける。だがさっきの質問がほとんどだったようで、上がっていた手はかなり減っていた。だが上がっているものもあったので、とりあえず指名する。
総「じゃあ…次は二列目の前から四番目の方、お願いします」
??「初めまして。桐沢 鏡華っていいます。鏡香でいいよ」
総「じゃあ、鏡華。質問は?」
鏡華「結構ありきたりだけど、特技とかあるの?」
総「んー、特技かわからないけど、避けることかな」
鏡華「避けるって、何を?」
総「そうだね…たとえばー、銃弾とか?」
全「え?」
総「あ」
しまった。なんとか誤魔化そう。
総「あー銃弾って言っても本物はキツいよ?出来てせいぜい1~2発」
鏡華「それでも凄いと思うんだけど…」
総「特技だからね。じゃあ今度はこっちからいいかな?」
鏡華「うん。いいよ。」
総「じゃあ同じ質問をするよ。特技とかある?」
鏡華「魔術とか科合術の方でいいのなら…」
総「いいよー」
鏡華「そう?じゃあ、科合の方は光系かな。主に屈折とか反射とかその辺。魔術は光系統のものかな。でも星奈さんほどじゃないけどね」
総「星奈ってもしかしなくてもつよ…成績いいほう?」
鏡華「?そうだけど?」
知らないの?とでも言いたげな顔で鏡華が見てくる。その疑問には荒畑が答えてくれた。
荒畑「ちなみにあの三姉妹は入学試験をトップで通ってる」
総「なんだ。あいつら凄いじゃんか」
鏡華「知らなかったことに驚きよ…」
総「まあそういうなって。質問はもういいか?」
鏡華「うん。オッケーだよ」
総「じゃあ、次。四列目前から二番目の方」
??「おう、俺は西畑 大介。よくありそうな名前だからすぐ覚えられるだろ。あ、大介でいい」
総「おう、じゃあ大介。質問は?」
大介「さっきの続き。得意な科合術と魔術について教えてくれ」
総「あー…悪いんだけど…」
大介「どうした?」
総「それがね…わからないんだよ」
大介「……は?」
総「いや、だからわからないんだ。測定機でも出なかったんだ」
大介「へぇ…そんなこともあるんだな。ちなみに俺は両方水系(統)と強化系(統)だ」
総「そっか。だから体格がいいんだな」
彼は、全身筋肉質な体つきをしていた。だがムチムチではなく、無駄なく、きれいについているような感じだ。恐らく理想の筋肉を持っているだろう。
大介「まあな。いくら強化が使えても元がダメなら意味がない」
総「確かにその通りだ」
大介「んじゃあ俺からはそんなとこだ」
総「おう、じゃあ次は…ってもう授業終わるな…」
荒畑「ちなみに俺は炎だからな!」
総「おうわかった。んじゃこの辺で締めていいですか?」
教室からは賛同の声が聞こえてくる。とりあえず先生にも確認をとる。
総「先生、終わりにしてもいいですか?」
先生「あ、うん。いいよー」
3人への説教を終えた先生にも許可を得たので、とりあえず今回はお開きにした。
作「さて、次回はついにあの3人を君が捌くよ」
総「がんばる」
作「がんばれ。そうそう皆さん、この小説の投稿期間は不定期になると思われます」
総「主も頑張っていくそうですが、ご理解をいただきたい」
作「と、いうわけで次もよかったら楽しんで下さると幸いです」
総「それではまた次回!」