始まりの予感
3月、卒業式が行われるシーズンであり、新しい地方での生活を始めるべく慣れ親しんだ土地を離れる人も多い季節である。新幹線の指定席に座っているひとりの少年も例外ではない。背は比較的高めで、爽やかそうな顔つきと茶髪の持ち主であった。
新幹線の窓から彼が覗いている景色は、少しずつ都会の色を帯びてくる。だけれど、三分咲きから五分咲き程度の桜の木はどの地点でもあまり変わらなかった。
「まもなく、新横浜に到着します。お出口は右側です。お降りのお客様は忘れ物にご注意ください」
列車のアナウンスが彼の目的地を告げ始めている。それを聞いた彼は荷物の入ったスポーツバッグを肩にかけて、新幹線の出口へと向かった。
「新横浜~新横浜~、ご乗車ありがとうございました、お降りのお客様は足元に気を付けてお降りください」
アナウンスと共にドアが開き、彼は列車を降りて改札を出る。地元の駅とは段違いに大きい駅の建物や多くの人々を見ていると、ここが都会なのだとよくわかる。
彼はこの町に高校生活を送るためにやって来ていた。
世界でいちばん熱い夏のダイヤモンドを目指して……。
パワポケによって創作に目覚めた高坂 桜といいます。
今回は、創作の原点となったパワポケにちなんで野球ものをかいていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
後、わたしは影響されやすいので、パロディーネタが出たらそれがマイブームだったり、好きな作品だったりする可能性が高いです。あらかじめご了承ください。