主従
「様を付けるなと言っているだろう」
ため息をつきながら言うのはこの国の王
男でも見入ってしまうようなその風貌
金髪に真っ青な目
「いいえ、もう慣れましたから」
私の名前はセイラ
歳は19
私がお仕えするのはこの美しく誰もが目を引く一国の王、ユウキ様
21歳
昔は親の関係でよく遊んだりしていた
でも、今は違う
私達には主従関係しか生まれないのだ
それでも別に構わない
結局はそうなる運命で私は彼を守る騎士になる運命だった
家柄と言うものが誰にでもある
だから、私達が幼い頃のままのはずがない
私達は大人になり自分達の立場を理解し決められたレールの上を走るのだ
「また、厳しくしたのか?」
「もちろん!ユウキ様を守らなければいけませんから」
「無茶だけはするなよ」
優しく笑い、ぐしゃっと頭を撫でてくれる
「はい!」
この瞬間がいつも落ち着く
優しいユウキ様の笑顔が見れるこの瞬間が
「セイラ!!」
「はーい!どうしました、アンナさん?」
赤茶色のポニーテールにした長い髪
その色に似合う赤い目
この城の召使いの一人だ
「ちょっとお願いしてもいい?」
「いいですよ」
「買い忘れた物があったから買いに行って欲しいの」
「わかりました。ユウキ様ちょっと行って来ますね」
「あぁ、いってらっしゃい」