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HELP―守屋side

タイトル通り、守屋目線で書いたものです。

すっごい短いです。


* * * * * * * * * * * * *


「―――あれっ…」

5時間目が始まる5分前。

ついさっき、校庭から戻ってきたところだった。

すると彼女の姿が見当たらないということに、すぐ気づいた。

隣の席のその娘は、いつも授業開始5分前には必ず着席している、とても真面目な人だから。

この時間になってもいないというのは変だった。


「なあ、斎藤!峰岸さん知らね?」


たまたま近くにいたメガネに声をかける。斎藤は昼休み、教室にいただろうと思ったからでもあるけど。

加えて言うと、こいつはよく周りが見えているから。

「へ?女王?女王なら、廊下ですれ違ったけど」

読んでいた文庫本を開いたまま、平然と答える。

斎藤は何故か、峰岸さんのことを女王と呼ぶ。理由を聞いたら"雰囲気がそれっぽい"と言われたっけ。

そんなことないと思うけど。

「どこ行ったとか、わかんない?」

「さぁ…なんか一人でぶつぶつ言ってて怖かったぞ。てか変だった。やっぱありゃ、何か見えてんな」

一人で……?

ザワザワと胸がざわつく。

やばい気がする。


授業開始まで、あと2分もない。けれど峰岸さんは来ない。

絶対変だ。

何かあったんだ。

その時、



「―――小羽ちゃんが、危ないです」


耳元で男の声が聞こえた。ぞっとして振り返ると、黒い着物に身を包んだ男。

銀色の目を光らせて立っていた。―いつの間に!

ヘラヘラしている印象しかなく、いつも峰岸さんのそばにいたこの男。

でも、今は無表情で、とても冷ややかだった。

口元を優雅に袖で隠し、目を細める。

「モーリーくん。ちょいと手ぇ貸してくれませんか。私一人じゃあ、どーやら大変そうなんすよ。

なんせ小羽ちゃんの居場所がわかりませんで」

ゆっくりと静かに、着物男が言葉を紡ぐ。

答えは決まっていた。

俺よりもかなり上の方にある顔を見上げた。

「わかった。探す」

「――そりゃあ、よかった」

ぽつりと言って、唇をにぃ、と吊り上げる。…笑ってんのか?不気味な人だな。

男はそれだけ言うと、いつの間にか姿を消した。


「?どした、モーリー。誰に言ってんだ…って、おい?!」

「わりぃ斎藤!気分悪くなったから保健室行くって、先生に言っといて!」


勢いよく教室を飛び出す。

背後で何かを言う斎藤と、授業開始の鐘の音。

どんどん遠のいていく。

あーあ、俺、一応今までの授業はちゃんと出てたんだけどな、と苦笑しながら廊下を駆け抜ける。

当然のことだけど、廊下には誰もいない。

どこまでも続きそうな白い廊下を、全速力で走っていた。


今となっては遅いけど、4時間目が終わった時、彼女は少し様子が変ではなかったか?

何か言いたそうにしていなかったか?


もしそうだったのなら、気づいてあげられなかった自分が憎い。


わかっていたではないか。

彼女が自分から"助けて"なんて言わないことくらい。

ちくしょう。

お願いだから無事でいてくれと。ただそれだけを思って、走っていた。

次は、ちょっとかかるかもです。待っていただけるとうれしいです…(^^)

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