そろそろ狼と友達になれそ…うん?
「この森って、全然盛り上がらないんだよね。森だけに。ハハハハッ面白いでしょ?」
チラッ
森狼「?」
森を探索してどれくらい経ったのだろうか。未だこの森で出会うのは森狼のみである。この森にだって他のモンスターは必ずポップするはずなので居ないことは無いであろう。森狼と戦闘していて、何となく気付いてきたことがある。
「なんか皆逃げ出してきた?みたいな焦りでエンカウントするんだよなぁ。何かあるのかな!!ワクワクしてきた。」
モンスターは基本的に好戦的な種が多く、森狼も例外ではないためプレイヤーエンカウントしたら襲ってくるのが一般的ななのである。しかしてこの森での探索が進み中心部に近づくにつれ、森狼はキョーカの事など一切興味の無いような素振りで森の外縁に逃げ出そうとして走っているのが現状。なれば中心部の方で何かしらイベントが起きているのではと考えたキョーカは、他モンスとの出会いに飢えた心を震わせつつルンルンで中心部に向かっているのであった。
「森狼はもう見飽きたし、何匹倒したか分かんないくらいには処理したけど……いや、多すぎない?」
逃げ出していく森狼に対しても逃すまいと戦闘し続けたキョーカは森狼があまりにも多すぎる事に驚愕というかなんというか……まあ、なんとも言えない気持ちでいた。
「この世界では森に犬が多いのが当たり前なのか?ワンコロ(狼)パニックで街に侵略くらい起こりそうだけどな。」
ドッサッ
「うん?なんか音がしたな。オオカミが転んだりでもしたのか?」
音のした方向へ進んでいくキョーカは、血に塗れた木々と地面に瀕死で倒れ伏している狼達を楽にしつつ道中を過ごし、とあるモンスター?と出会った。
「た、助けてください!」
NPCだった。(モンスターだと思ってごめん。)と短剣をウキウキで準備していたキョーカは罪悪感に苛まれつつ、とてもじゃないが大人とは思えない、というか子供にしか見えない薄く光る羽?の生えた少女に自身の状況を説明してもらうため、少女に初期配布でなけなしの回復のポーションを渡した。
「んくっ、助かりました。貴方は現在多くのモンスターが荒れて凶暴化しているこの森に来ているということは、戦うことが出来る人で間違いありませんね?」
口早に話し始めた少女は名をフィナと言うらしく、一目見てキョーカのことを戦える人と認定して多くを話し始めた。
(僕、戦闘職じゃないよ?生産職だよ?プレイヤーのこと全員が戦えると思ってない?紙装甲だよ?)
ゲームを始めてから30を優に超える数の森狼を倒しておいてこの男、今更になって自分が戦闘職ではなく生産を極めようとしている事を思い出し、ここまで戦闘の匂いがプンプンするイベントに参加することに嫌な予感しか湧かないのであった。
「この森の、この場所の破壊者が、遠く昔の過去に倒されたはずの最凶の魔物が再臨してしまったんです。」
えっ、レアモンス?
モンスターは戦闘中に受けた傷から血を出します。その血を回収することはできずただの邪魔エフェクトとなってるのはゲームのお茶目。このフェア…光る羽を持った少女は一体…




