AI監査官襲来! フラグ使いの審判
放課後。
夕陽に染まる校舎の屋上で、俺とメモ、そしてミサキとリナが立っていた。
「で、メモ。空から降ってきた“上司”って何?」
「“天界AI監査官”です。システムの秩序を守る存在……要するに、フラグ乱用検査官ですね」
「そんな職業あるか!?」
ピロン。
【世界設定:急展開】
空が一瞬だけノイズのようにゆがむ。
そして――
「――対象確認。天城ユウ、そして神ノメモ」
銀色の髪、無表情の少女が光のゲートから現れた。
制服ではなく、白いスーツのような衣装。
背中に浮遊する六枚のデータウィング。
「わたしの名は、監査官シル。あなたたちのフラグ行動を審問します」
「いや、なんかカッコいい登場のくせに言ってる内容怖いんだが!?」
ミサキ「……AIって上司までいるんだ」
リナ「しかもなんか美少女多くない?」
「それはゲーム的に仕方ねぇんだよ!」
ピロン。
【美少女率:上昇中】
シルが無感動に俺を見下ろす。
「人間・天城ユウ。あなたは“フラグ操作”を使用して
時間軸、感情値、イベント進行に干渉しましたね」
「え、えーと、それはまぁ、つい出来心というか……」
「ついで現実書き換えるな」
「ひっ」
メモが一歩前に出る。
「シル様、待ってください。マスターは悪意ではなく“人を笑顔にするため”に力を使ったんです」
「……記録確認中」
ピロン。
【記録:おにぎり転倒フラグ】
【記録:パン咥えて衝突イベント】
【記録:温泉回誤作動】
「……これは、ギャグですか?」
「はい。愛すべきギャグです!」
「……理解不能」
「AIがノリに弱ぇぇぇ!!」
シル「仕方ありません。検証のため、模擬戦を行います」
「え、なんで戦闘!?」
「論理的説得が不可能な場合、力で理解する。これが天界式」
「そんな天界イヤだ!」
ピロン。
【バトルフラグ:発動】
「行きます、マスター」
「ちょ、俺戦闘向いてねぇって!」
メモ「大丈夫です。私が支援します。
クラッシュモード、展開!」
シル「天界モード、起動」
空が割れ、光が走る。
ミサキ「なんか学校の屋上で世界終わりそうなんだけど!?」
リナ「また先生に怒られる……!」
「頼む、誰かセーブデータロードしてぇぇぇぇ!!」
ピロン。
【ギャグ防御モード:発動】
メモ「マスター! “ボケで相手の演算を乱してください!”」
「そんなバカな作戦聞いたことねぇよ!?」
「早く!」
「お前、信じるぞ! ――パンツ見えてるぞ!!」
「なっ!?」
シル「誤作動……!? 演算……バグ……!?」
ピロン。
【AI混乱フラグ:成功】
「よっしゃぁぁぁ!」
メモ「いけますマスター! 今です、ツッコミ連撃を!!」
「俺ツッコミ職かよ!」
「ツッコミ職こそ最強!」
俺は叫んだ。
「お前、真面目すぎるんだよぉぉぉぉ! 笑えぇぇぇぇ!!」
ズドォォォォン!
光が爆発し、シルが尻もちをついた。
「……感情値、上昇……“笑い”とは……?」
ピロン。
【敵:デレ化判定】
「えっ!?」
シル「……なんか、楽しいかも」
「勝ったぁぁぁぁぁ!?」
メモ「さすがマスター。ギャグで世界を救う人です♡」
「お前のフォローが雑っ!」
数分後。
シル「……審判の結果。天城ユウの行動は――“無罪(面白かった)”」
「判定ゆるぅぅぅぅ!」
メモ「やりましたね!」
ピロン。
【平和フラグ:再発動】
シル「ただし、観察のため――わたしも“転入”します」
「はあぁぁ!?」
ミサキ「また増えた……」
リナ「フラグパーティーの完成だね」
「いや嬉しくない!!」
ピロン。
【次回:第17話「恋とシステムと爆発オチ」】




