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炭鉱の村 その2☆

 炭鉱の村を抜け、私とリリアは炭鉱に向かいました。炭鉱の近辺では、例のA級の魔物のせいで荒れ果ててしまい、どうも進めようがない感じです。

 その近隣では、エルフの大森林へと続く道があります。ギルドが通行規制をかけるにも理由がわかります。


「ここが、炭鉱か」

「ひどく廃れてるみたいですね。これじゃ、立て直しには時間がかかりそうですね」

「この村に人達のためにも、早く倒さないとね」


 私たちがあたりを探していると、炭鉱の前に誰かが座っていました。

 どうやら、斧を地面についているそうです。私たちは彼と目があったので、近寄ります。


「よう。あんたらも冒険者か?」

「そうだね。エルフの大森林を目指してるけど、そこにいる魔物のせいで進られないんだ」

「私たちは、ギルドよりそれの討伐を依頼されました。あなたが、先行した冒険者ですか?」


 私たちの問いに、彼は立ち上がります。


「そうだ。俺はガイウス。戦士(ウォーリアー)の冒険者だ」

「私はリリア。クラスは魔女(ウィッチ)だ」

「私はクラリス。クラスは聖女(シスター)です」


 私たちの自己紹介に、ガイウスさんは驚いています。


「マジかよ! 上級クラスじゃねぇか!!」

「まぁ、今は旅をしている身だ。ところで、君はそこの魔物を?」

「あぁ、村の連中に頼まれてな。そこの見張りをしてたんだ」


 ガイウスさんの言葉に、私とリリアは疑問に感じます。ギルドと聞いていることが違うような?


「見張り? ギルドからは、先行と聞いてるが?」

「ですね。それじゃ、話が相違しているような気が」


 私とリリアがそういうと、ガイウスさんはリリアの手をつけます。


「助けてよ!!! 俺1人じゃ、どうしようもできねぇんだよ!!」

「「は?」」


 ガイウスさんは、なぜか泣き出します。何かあったんでしょうか?


「俺が来た時にはさ、それはやばいA級の魔物が村を荒らしてたんだよ!! 建物なんて竜巻で粉砕するわ、空から岩を降らして来るわで死にかけるわで、散々だったんだよ!! しまいには気が変わったのか炭鉱の方に戻ってさ!! そしたら村の連中、俺を英雄にして崇めてた!! みんないい人だったから断れねぇしさ!! そしたら今はこうだよ!! 俺なんて戦闘経験ないのに、炭鉱の見張りをお願いされたんだよ!!」

「「は?」」


 私とリリアは驚愕します。まさか、全くの素人だったとは。私は頭に手を当て溜息を吐きます。


「戦闘経験は?」「ゼロだよ!!」

「冒険したことは?」「ゼロだよ!!」

「ギルドの依頼も?」「それもゼロだよ!!」


 リリアの質問攻めに、ガイウスさんはそれに対して即答します。


「こいつはダメですね。帰りましょう?」


 私は、ガイウスさんに向かって蔑んだ目を向けます。金のことを考えると、こいつは邪魔ですね。


「お願いだよ!! 今だってションベン垂れそうなんだって!!」


 そして、とんでもないヘタレでした。ダメだこいつ、早くなんとかしないと。


「わかった。なら、まずはここで作戦を考えようか」

「いいんですか? こいつ、かなりのヘタレですよ?」

「でも、貴重な前衛だ。ギルドで文句をほざく奴よりは充分使える」

「それもそうですね。では、作戦を立てましょうか?」


 私たちは、炭鉱の前で作戦を考えます。リリアは、とある紙を広げます。どうやら、中身はここを根城にしている魔物の資料です。


「ガイウスの話を聞くに、恐らくはこいつだろう。『黒獣(ベヒーモス)』、この大陸の極めて過酷な地に生息するとされる魔物だ。ここら辺で出るのは極めてレアだね。それに、こいつの角と爪はいい素材になる。鉄よりも強い強度を誇るからね」

「しかし、なぜこいつがこの炭鉱にいるのです? ここは学園都市にも割と近いのに、なぜでしょう?」


 私の質問に、リリアは回答します。確かに、仮に『黒獣(ベヒーモス)』だとした場合、並の冒険者じゃどうにも出来ないのは納得できます。


「おそらく、辺境で戦った個体が逃げて来たんだろうね。でも、ここに居座られるとここを通りたい人達が不憫でしかない。だから、ここで仕留めるよ。でも、私とクラリスは後衛だから、前衛で惹きつける役が欲しいかな?」

「それって、俺のことかよ? 俺、戦闘経験はないぜ?」

「その場合は、クラリスに回復して貰えばいいかな? その間に、私は『黒獣(ベヒーモス)』を仕留める魔法を準備する。それを放って、奴を仕留める。これでいいだろう」

「では、私はガイウスさんのサポートすればいいんですね?」


 私の言葉に、リリアは頷きます。でも、出会ってまだ間もない方をサポートをするには少々気が気じゃないです。


「その辺はクラリスに任せるよ。今それを付与してもいいし」


 リリアがそういうので、私はガイウスさんに奇跡を付与させます。


「『主よ(ドーミーネ・) 彼の者に(ダー・エー・フ)飛翔の奇跡よ(ァギャエ・ミラカラム)』」


 ガイウスさんに、天空神の奇跡を付与させます。すると、ガイウスさんは指を握ります。


「これは?」

「天空神の奇跡の1つです。これで、体が軽くなっているはずです」

「すげぇ! さすがは聖女様だ」

「まぁ、今日だけは無料(ただ)です。次回からはお金を請求しますが」

「ブレないな。この銭ゲバ聖女め」


 ガイウスさんに、奇跡を付与すると、炭鉱の奥から『黒獣(ベヒーモス)』が現れます。

 

「お出ましだね」


 各々が攻撃の構えを取り、臨戦体制をとります。

 こうして、私たちは『黒獣(ベヒーモス)』との戦闘を開始したのでした。

次回の更新は未定です。戦闘シーンなので、早めに出します!


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