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学園都市 ミューリス その1★

ここからが本編です。

黒い星がリリアで、白い星がクラリスの視点で描きます。

 ここは、『魔法帝国 オルドラン』領内の都市、『学園都市 ミューリス』。帝立魔法大学校を市内にあるこの街では、国内から多くの魔法使いの卵達が、この街で魔法使いになるべく、日々勉学に励んでいる。

 私も、昔はこの街で魔法は学んだものだ。まぁ私は一年で魔法大学校を卒業したから、一年しか住んでないが。

 ともあれ、私は旅の道中にここを立ち寄っただけなので、気が済めば、この街を離れるつもりである。


「久々に見た光景だな。相変わらず、皆箒を使って飛んでいるな」


 この街での移動手段は、箒での移動が主流となっている。それも、魔法の練習も兼ねてのことだろう。

 皆、早く魔法使いになりたくて、日々鍛錬を欠かさずやってるのだろう。

 だが、一人この街とはかけ離れた格好をしているのが私とともに旅をしているが。


「凄いですね〜。これ、みんな箒で飛んでいるんですか?」

「この街じゃ、当たり前のことさ。みんな、早く一人前なりたくて、日々鍛錬を欠かさないんだ」


 隣で上を見上げるクラリスに、私は説明する。説明を終えると、私たちはひとまず宿に向かった。

 本来なら、銀貨三枚の宿泊代だったが、私が魔女であった為、銀貨一枚で済んだ。旅費的には結構浮いたので、明日は、自由行動になるだろう。


「うぅ〜。ベッドがフカフカです〜」


 クラリスは、宿に着くと真っ先にベッドにダイブした。こうして見ると、なぜ聖女なのかがわからなくなる。

 私も、ベッドに倒れる。そして、体を伸ばす。


 私達が、この街に立ち寄ったのはあくまで休憩に過ぎない。理由は単純だ。私達は『勇者 ユウキ・サトウ』の冒険を辿る旅に出ており、彼の冒険譚『勇者 ユウキ・サトウの冒険』に記している西方の街『港町 ダンツフィ』を目指し、『魔法帝国 オルドラン』に入国したばかりだ。

 さすがの私も、長い移動で疲れているわけだが、特に問題はこの聖女だ。こいつのせいで、道中の宿に泊まり過ぎたので、馬車で移動するよりも高くついたのだ。


 しばらくして、風呂から上がった私とクラリスは、日記を書き始める。私達は、寝る前に日記を書き記して旅の記録をしている。

 こうして書くことで、後から自分たちの旅路を見ることができるので、毎日書くようにしているのだ。

 日記を書き終え、私はベッドに潜る。そして、私は眠りについた。


翌日


 誰かの声が聞こえる。もう少し寝たいが、大声で誰かが呼びかけている。


「いい加減、起きてください!! 何時だと思ってるんです!?」


 目を開けると、クラリスが起こしていた。どうやら、頬を膨らしていたようだ。


「何? もう朝なの?」

「もう朝かじゃありません!! もう昼間ですよ!?」


 クラリスの声に、外を見る。どうやら、本当に昼間になっていた。


「それなら、起こしてくれよ。そうすれば、起きたのに」

「私は散々起こしましたよ? あなたがひどい寝相をしている間にね」

「マジ?」

「マジです」


 どうやら、マジで起きなかったみたいだ。ベッドから足が出ているように、横に向いて寝てしまったみたいだ。

 目を擦ると、クラリスの手に袋いっぱいの布袋を持っていた。


「それ何?」

「これですか? さっき稼いできました!! おかけで、数泊は泊まれますよ!」

「どうせ、胡散臭い商売でもしたんだろ? ギルドでクエストこなせば、それくらい溜まるだろうに」


 クラリスは、ドヤ顔をしながら、袋一杯の小銭を見て頬を啜る。この銭ゲバ聖女め。


「それで? リリアは何をするんです?」

「この街の、魔法ギルドに立ち寄ろうと思う。一応、この間のクラフトの納品も兼ねてね」

「そうですか。では、私は教会に立ち寄りますね。一応巡礼の為に」


 クラリスとそういう会話をしている。私はすぐに着替え、魔王ギルドに向かう。この街は、『魔法帝国 オルドラン』の中でも、多くの魔法科の学校が集う。その為、至る所で生徒が魔法の自習を行なっているのだ。

 クラリスとホテルで別れ、私は魔法ギルドに向かう。


「これはこれは、お待ちしておりましたぞ。『魔女(ウィッチ)』リリア様」

「よしてくれ。今はしがない旅人だ」

「いえいえ。あなた様はこの国では高貴なお方。そのように言われましても致し方ありません」

「そうなら好きにしてくれ。では、まずはこれが依頼されたクラフト品だ」


 私は、クラフトを受付に渡す。


「ほう? これはまた。500年前の代物ですな。『勇者 ユウキ』のいた時代のものですと、希少性はあるものかと」

「なるほど。500年も前のものなら、価値はかなりいいだろうな」

「えぇ。この時代は、魔族と人類との戦いが最も激しかった時代でもありましょう。それから500年が経ったい今では、以上に希少といえましょう」


 ギルドの老魔法使いは、そういいながら私が渡したクラフトを眺める。それほどに、希少性のあるものなのだろうかと眺めながら思う。



 ――――――――――――――――――――


 クラフトとは、所謂古い時代の遺物だ。その希少性から、高値で買い取られる他、研究の材料にもなる。

 だが、今採掘されるクラフトはそのほとんどが500年前の代物で、それより前のクラフトは滅多に発掘されないようだ。

 それほど、『勇者 ユウキ』が来る前の時代は、人類が魔族に劣っていたと言えるだろう。


 ――――――――――――――――――――


 なんだかんだ夕方になり、私は宿に戻る。すると、ギルドの老魔法使いが私は呼び止める。


「リリア様は、もう少しこの街にご滞在ですかな?」

「あぁ。連れの用も終わったら、この街を出るよ。そこからは、『港町 ダンツフィ』を目指して行くつもりだ」

「左様ですか。では、皇帝陛下の名の下に、良いご旅路をお祈りしておりますぞ」

「ありがとう。では、失礼する」


 魔法使い達は、私の背に各々が頭を下げる。

 こうして、私はクラリスが待つ宿に戻るのだった。

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