天国の流行 〜神様の至福〜
「マジで勘弁してくれい…。」
神様は肩を落として言った。なぜなら、地獄中が鬼娘の笑いに溢れていた。
「キャハハハハハハッ!!」
「神様、ちょろ〜!!」
待て待て待て待て!なんで鬼娘が天使たちのように笑って、メイクもゴリゴリで流行の服を着ているのか……。
不思議に思う人もいるだろう。勘の良いものは分かるだろう。
そう、地獄の鬼娘たちも流行にのっているのだぁ〜!!!!
「ほんっとマジであの時、天国行ってて正解だったわ〜!」
「それな〜。」
「待て。……今、なんて言った?」
笑う鬼娘たちに神様が尋ねた。すると1人の鬼娘が、
「えぇー?神様、気づいてなかったカンジ?ウチらあのマリノ様のライブ、コッソリ見に行ってたの!」
鬼娘たちはその時のマリノを思い出しながら目をキラキラさせてマリノのダンスを踊っていた。
神様は眉をピクピクさせ、
「バカも〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん!!!!!!!!!!!!!!!!」
「ウゲ!!」
神様の大声で鬼娘たちは嫌な顔をした。
「お主らにはまきもどりドリンク全種をかけて……あ。」
「ざーんね〜ん!!!」
「ドンマイww」
そう。ここは地獄。まきもどりドリンクなんて存在しないのです。
それから神様はある程度、鬼娘たちを怒ったあと鬼娘たちの行動にブンブン振り回され見学を終わらせるのであった。
「これから天国に帰るが、もう二度と天国に来るなよ?まぁもう、天国の入り口の見張りを用意してあるがな。余
計な仕事を増やしやがって。」
「うわ!ネチネチしてる〜!」
「嫌われるよ?」
「もういい!!!!!」
神様は怒って白い雲に乗り、地獄を出て行った。
「全くもう。どいつもこいつも…。」
神様がブツブツ言ってると偶然、エンマ大王が通りかかった。
「おう!!兄弟よ!どうじゃったか?」
「……………ろ。」
「ん?」
神様は雲の上に立ち、
「もっとしつけをしろーーーーーーー!!!!!!!!!!」
「うおっ!」
神様は大声を出した。エンマ大王は腰を抜かして、
「何事じゃ?!」
「とぼけるな!鬼娘たちのしつけをしろ!しつけ!鬼娘たちはマリノのライブの時に天国に不法侵入して、流行を知ったそうじゃぞ!!」
エンマ大王は目をまんまるにして、
「は?鬼娘たちは流行というものに全く興味もなく、ただ真面目に仕事をしてくれる奴らだぞ?」
「だったら、お主のいぬ間に調子に乗ってるんじゃな。」
急にエンマ大王は顔を真っ赤にして、
「バッッッッッッッカもーーーーーーーーーーーん!!」
と言って、全速力で赤い雲に乗り、帰っていった。
「ふぅ〜。この頃、ストレスがたまっておるな。わしに至福はないのじゃろうか。」
神様はどっと肩を落としながら帰って行った。
ッパ〜ン!
「おかえり!神様!」
神様が帰ると天国の皆んながクラッカーをうち、目をキラキラさせ神様を出迎えた。
「お…おい。お主ら、頭でもぶつけたか?」
「もう、ひどーい!神様!」
一人の天使がため息をつき、
「エンマ大王よりやっぱ、神様ですよね。」
これがわしの本当の至福じゃ。
神様はクラッカーのカラフルなメタルテープを握りながらそう思ったのだ。