天国の流行 〜神様は疲れました…〜
「ごほっ!ゲホ、ゲホッッ!!」
今日も快晴。平和な天国に神様の咳が響いた。
「神様。今日は無理せずにベッドに横になっていてくださいまし。」
天使が薬と水をベッドの横のテーブルに置き、心配そうに言った。
そう。神様はストレスにより風邪をひいてしまったのだ。
「ありがとう。今日は一日ゆっくり寝とくわい。」
あまりにガラガラ声なのでいつもの神様の声とは別人のようだ。これも流行のせい。毎日、怒りすぎて声がかれてしまったのだ。
「それでは。」
天使はゆっくりとドアを閉めて、出て行った。
それから天使は神様が寝ていることをこっそり確認して、忍足で城を出ていき…
「み〜んなぁ〜〜!!!!」
大声でみんなを呼んだ。
「神様どうだった?」
天使、ことマノンが小首を傾げて聞いた。
「バッチリ!めっちゃ辛そうだったよ〜。この調子だとベッドから出られるのは明後日かな?」
天使はグッドマークを作って嬉しそうに言った。
「やった〜〜!」
「これで、いぃ〜っぱい遊べるねっ!!」
みんな、すごく喜んだ。それから住民、天使、青い鳥たちは、デパートへ向かった。
「これ、似合うぅ?」
天使が住民の一人に聞いた。住民の一人は、上機嫌に、
「似合う似合う!そのうちバレるけどね…。」
住民の一人は最後に小さい声でつぶやいた。
「ん?」
「いやいや!なんでもないよ!そのうち私も着れるかなぁ〜って言ったの!」
住民の一人は少し慌てた様子だった。
それから、住民、青い鳥、天使たちはやりたい放題だった。プリクラを撮ったり、クレープを食べに行ったり、デパートで勝手に服を取ったり。
次の日、またまたみんなはやりたい放題だった。やりたい放題が続いた、次の次の日、やっと神様はベッドから起き上がった。
「すっかり治っておる…。」
そうつぶやいたら、身支度を始めた。神様が髭をとかしていると、神様はニヤーッと笑った。
「残念無念また来年…クククククッ。」
住民、天使、青い鳥たちは、またまた神様が物置から、まきもどりドリンク全種を持ってくるとは知りもしなかった。
今日も神様が起きてくる直前まで、遊んでいよーっという案でデパートにいるみんなは楽しそうに遊んでいた。
すると、住民の一人がつぶやいた。
「見て!何あれ?」
そう言われて、指さされた方を見ると、とても大きな風船が浮かんでいた。
「私が突いてみるね!」
青い鳥は飛び立って風船のそばまで行った。そして、その長いするどい口ばしで風船を突っついてみた。
ばーーーーん!!!!!!!!!
ビッシャ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!
「う…うわ〜〜〜〜!!!!」
あまりに大きな音がしたと思ってみれば、次に滝のような水が降ってきたのだ。そりゃ、みんなは驚くわけだ。
最初は雨だと思っていたが、のちにその液体がカラフルなことに気づく。
天使の一人が言った。
「もしかして、これって…まきもどりドリンク全種ぅ〜?!」
「そうじゃ。」
「?!」
雲から降り注ぐ、太い声を神様だと認識するのはそう簡単ではなかった。
しかも、まきもどりドリンクのせいで天使は、青い鳥に。青い鳥は住民に。住民は天使になっていた。
「近頃、このドリンクたちを物置から出す回数が増えてきたのー。」
雲の上にいたのは、神様だった。
「神様?」
住民が目をまんまるにする。
「なんで、神様がここに?なぜ?」
天使は泣きそうな声で言った。そこにいる全員が硬直した。すると一人の住民が神様の下に行った。
「神様!お風邪が治って良かったです!」
「おぉ。もうすっかり元気じゃ。」
みんなはますます、はてなになった。そんな中、神様の下にいる住民がフッと笑った。
「申し訳ございません。私、神様への情報報告のスパイだったんです!あなたがたのやった行動は全て神様にご報告させていただきました。」
「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ????!!!!」
そこにいるみんなが目玉が飛び出るくらい驚いた。
そこで神様は大きく息を吸って、怒鳴った。
「バカもん!!!お主らのせいで、地上は混乱中じゃぞ!!!青い鳥が向かいに行かなければ、悪事を働いていないものも、間違って鬼に連れていかれて地獄で生活するハメになっているんじゃぞ!!そのおかげで昨日、まだ辛い状態で兄弟のエンマ大王から苦情の電話が二時間もあったわい!!」
「すみません…。」
みんなはすみませんしか、口から出てこなかった。
「以後、気をつけるようにっ!!」
それから、また平和が訪れましたとさ…ん?
あそこにいるのは誰だ?