天国の流行 〜流行の人物、登場?!〜
まんまと、青い鳥に戻された天使たちはいつものように人々を天国に運んできている。
「天国は今日も平和じゃのぉ〜。」
神様はにっこりと言ったけれどこの時、まだ神様は天国に問題が待っているのを知りもしなかった。
ある日の朝、神様が散歩をしていると青い鳥たちの大きな声が聞こえてきた。
「えぇ〜?! マリノさん、もとアイドル?!」
「やば〜!!」
神様が耳を傾けるとそんな楽しそうな声が聞こえてきた。神様がそちらに行くと綺麗な女性を青い鳥たちが囲んでいる。
「こら!!青い鳥たち!仕事はどうした?!」
「すみません〜!けどこちらのマリノさんって方、もとアイドルだったそうですよ!」
と言い残して青い鳥たちは仕事に戻った。マリノという女性は神様のことをじーっと見ていた。神様は慌てて、
「これは失敬。天国へようこそ。今、天使たちがおもてなしするのでもう少し待っていてくれんか?」
マリノはペコっとお辞儀をして、
「マリノって言います。こちらこそよろしくお願いします。」
マリノが言ったと同時に天使たちが駆けつけ、マリノをおもてなしした。そんな光景を優しく見つめる神様だが少し悪寒がしたのは気のせいではなかった。
数日後、神様が夕食を食べていると、どこからともなく歓声と歌声が聞こえてきた。
神様が気になって、天国を見回るとなんと!そこにはいつ作ったかも分からないスタジオの上にアイドル衣装に包まれたマリノが気持ち良さそうに歌って踊っていた。
「キャァ〜〜〜〜!マリノぉ〜!最高!」
スタジオの前には観客席と共に応援している天使や住民、青い鳥たちがいた。
プチッ…
神様は堪忍袋の尾が切れた。
「キ ラ キ ラ …」
「何をしておる?」
神様は曲の途中で尋ねた。観客席の後ろ側に座り静かな声で尋ねた。
「あっ!」
会場は水に刺されたように静まりかえった。そして神様はものすごいスピードで雲に乗り、上にあがってまきもどりドリンク全種を持ち、雨のように降らせた。
「キャァ〜〜〜〜!!」
さっきの叫び声とは違う恐怖の叫び声が会場全体に響いた。
たちまち、青い鳥は住民に、住民は天使に、天使は青い鳥にされてしまった。もちろんマリノも天使になってしまった。
「就寝時刻はとっくの通りに過ぎておる!しかも、わしに内緒でこんな会場まで作るとは…。これだから流行というやつは!」
プンスカ怒った神様は雲に乗って行ってしまった。会場にいた青い鳥、天使、住民は泣く者もいればムスッとしている者もいる。
それからマリノも落ち着き、天国は平和を取り戻した。
、と思ったが…。