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私の豪運は無限の魔法を届ける。

翌朝ホテルの入り口で、昨日の聖地管理組合の案内人ランが私達を出迎えた。

「おはようございます。テウリア領主御一行様。」


「ご苦労だにゃ。」


「ではこれから聖地に向かいますね。」


「よろしくだにゃ。」


私とレアちゃんは金属製のケースを背負い、リロはスフィアブレットの入ったカバンを持っていた。

「それではがんばりましょうご主人様!」

「だね!」


私達は街から1時間ほど離れた森林に入っていった。

そこは聖地に続くであろう道を除いて、周りには鬱蒼うっそうとした森が広がっていた。

「なんか怖いですね・・・。」


「大丈夫です。辺りのモンスターは大半駆除してありますから。」


「それよりも・・・疲れたんだけど・・・。休まない?」

やはり10キロはある金属製のケースを背負いながらの移動は、現代人のピチピチJKの私からしてみるとかなりの苦行てあった。


レアちゃんが金属製のケースを下ろしてしゃがむ。

「ご主人様、ぜひ私の背中に乗ってください♪」


背中に付いている翼は内なる心を示すかのようにバサバサと動いていた。

「いいの?」


「私も乗りたい!」


「うぅ・・・。一人までですよ。」


「にゃら、私がリロを背負うにゃ。」


船の件も相まって、少女の表情からほのかに感じるその企みに私は気がついていた。

「クッション、リロの目的は疲れたからじゃないと思うけど・・・むしろ有り余ってるからじゃないかな?」


「有り余ってる?何のことにゃ?」


「えーっと・・・。なんにも・・・。」


「とにかくご主人様、私の背中に乗ってください。」

レアちゃんは器用に尻尾を操り私を背中に手繰り寄せる。


「ちょ、ちょ!うぐっ。」


私が背中に乗ったのを確認するとレアちゃんは金属製のケースを2つ持ち、ゆっくりと立ち上がると歩き出した。

「ふふっ。ご主人様と一緒になれました・・・。」


「その言い方だと、色々と誤解が発生すると思うけど・・・。ほら・・・。」


近くの少女が顔を赤らめていた。

「べ、別に・・・私はご主人様となら、そういう事もいいと思いますけど・・・。」


そういう事とは・・・・。


どうやら天才変態魔法少女によって姉側も色々と影響を受けたらしい。

唯一の救いはこのメンバーで最強角のクッションがそちら側に傾いていないということだ。

「うーん、ロリのせいかなぁ・・・。」


「何で私のせいなのよ!」


「昨日もお誘いしていたのに・・・やはりご主人様は、鈍いのですか?」


「えぇっ!?いつ??」


「ホテルのベットで一緒に寝ていたときですよ。」


「え、普通だったよね?」


「もう!せっかく寝間着を調節したのに・・。」


確かに寝間着がはだけていて、寝ているにもかかわらず熱い視線が向けられていたことは感じていたが・・・。

「あれは、暑いのかなーと思ってた。」


「うぅ・・・。やはりリロさんみたいに強引じゃないとダメなんですか?」


「わ、私はそういうのは・・・・。」


近くの少女はがっかりするような表情だった。

「私が寝たかった・・・・。」


「前科もちだから、リロは完全隔離だったね。」


案内人のランは咳払いをして場を整える。

「夜の営みも結構ですけど、目的地にもうすぐで到着しますよ。」


「すまないにゃ。」


「えぇ、冒険者の方たちも男女でこういうやり取りをしているのでなれていますよ。女性同士は初めてですが。」


「ですって、ご主人様!」


「威張れることじゃないと思うけど・・・。」


しばらくして森林を抜けると、重厚な壁が連なり大きな門が待ち構えていた。

水を世界に供給しているということもあってか警備は厳重であった。

「ここが・・・。」


「はい、聖地の入り口になりまして、普段は禁足地に指定されています。」

ランが壁にある鍵穴に鍵を差し込むと大きな音を立てて門が開き出した。


「ささ、どうぞ。」


「おぉ。」

本流を目指すようにして複数の川が同じ方向を向き流れる様子は絶景だった。


「特にここはモンスター、1匹存在しないと言われるまさに聖域なんです。」


「ほー。」


その言葉を聞いたレアちゃんは思い出したかのように、一瞬体に力が入る。

忘れがちだがレアちゃんの本文は天地を揺るがす不運である。

しかしテウリアにも置いてくるわけにもいかない・・・というか可愛いから、こうやって連れ歩いている。


私はそんな不安そうな彼女の頭を撫でる。

「安心して、私が付いてるから。」


「ご、ご主人様!?」


「私も居るわよ!」

「にゃ。」


「ふふっ、皆さん仲が良いんですね。」


「はい!」


「それはさておき、聖地の最奥・・・命の盃に到着しました。」


一見、見渡す限りの大きな湖だが、湖の中央の何もない空間から大量の水が発生していた。


「どういうこと??何もない空間からあれだけの水をどうやって・・。」


「ここの秘密を知っておいででしょうか?三原魔の方の魔法によって常時大量の水が湧き出ているんですよ。」


「最長の魔法使いね!」


「噂通り、最強の魔法使いの子孫さまでいらっしゃいますね。」


リロは待ってました。と言わんばかりに嬉しそうにしていた。

「今回だけ!特別に天才の私が解説するわね!」


「おー」

一同が拍手をする。


「魔力が高ければ高いほど威力と持続発動時間が伸びるのは知ってるわよね?」


「はい、魔学の基本ですよね?」

「知らん」

「あれだけ高い魔力を持ってても知らないんじゃ、宝の持ち腐れね!」


私の場合、豪運で増幅されているだけだと思うけど。


「そして通常、魔法と言うものは規模が大きくなればなるほど威力と持続時間が短くなるわ!」


「ふーん」


「魔力保存の法則ですよね!」


「そう!そしてここの湖を補うぐらいの大きな規模となると発動するのすら困難、持続はほぼ不可能に近いわ!」


「ならどうやって??」


「魔法で魔法を呼び出す。それを無限に続けたのよ!」


「どゆこと?」


「魔法にはリンクって言う魔法が存在してね。連続して魔法を使いたい時によく使うの!」


「それも分かります!」


「例えばお湯が欲しいときは、水魔法にリンクを挟んで炎魔法を呼び出せばお湯が出てくるわ!」


「ふむふむ。」


「で、最長の魔法使いは考えたの。水魔法にリンクを付けただけの魔法を開発して、それをリンクで呼べばどうなるか。


「つまり、(水魔法+リンク)→発動→ (水魔法+リンク)→発動→...と言うふうになるから・・・」


「ほー。無限に呼び出せるってわけか!」


「うん、そう言うこと。意外と賢いわね!」


「簡単じゃん」


「まぁ最強の私は一度に引っ張り出せる魔力が多いだけで、常時発動するだけの魔力が無いから普通のひとは無理よ!」


「無理じゃん。」


「それを64個同時に発動してる訳だから魔力お化けね!」


「何それ!怖い!」


案内役が咳払いをする。

「解説ありがとうございます。最強の魔法使い様」


「このぐらい当然よ!」


「話を続けさせて頂きますと、水が不足している原因は発動している魔法が何らかの影響で阻害されて停止。

その個数は半分も残っていない状況となっています。」


「何ですって!?」


「一応あそこに見えます、魔法陣の数だけとなっています。」


よく見ると湖の中心が青く輝いて見える。


「はぁ!?64あった魔法が8個しか無いじゃ無い!」


「はい」


「最長の魔法使いは今どこに!?」


「分からない・・・三原魔で居場所が分かっているのはこの私の最強だけよ!」


「まじか。」


「それに常人には無理よ!常人には・・・。」

この言葉でこちらを見つめ出したロリと私の目が合う。


「キスならしないけど?」


目の前の少女は真っ赤になり怒り出す。

「バカっ!違うわよ!もしかしたらアンタならいけるんじゃないかと思っただけよ!」


「確かに、ご主人様なら!」


「ええっ!?そんな魔力をお持ちなのですか!?」


「お姉ちゃん、教えるから!やってみて!」


「わかった。」


「杖なしだとイメージが難しいけれど、この方法なら一度発動してしまえば自動で発動してくれるはず!」


リロが言うとおりにやってみる。

なめらかな水をイメージしてから、それを何処かにつなぎとめるように鎖のような物を続けてイメージする。


なめらか・・・。なめらか・・・。


するとゆっくりとではあるが目の前に水塊が現れる。

「やるじゃない、その調子。」


そして問題は鎖のようなイメージであった。

現実であれば当然液体を鎖でつなぎとめるのは不可能なのだが・・・。

ものは試しなのでやってみる。それを一つの魔法として認識する。


ゴゴゴ・・・。


大きな音がひびきわたる。

続けてその鎖を先程の認識した魔法につなげる。

次の瞬間、私の頭の中で歯車が噛み合ったように動き出す。

近くを見ているようで遠くを見ている、それを俯瞰するような不思議な感覚が脳内に流れ出す。


「っと・・・・・よし!」


「成功したみたい?」

「こ、これは??」


次の瞬間魔法陣のあった場所に滝のように大量の水が降り注ぎ続けた。


「は?ちょっとおかしいんだけど・・・。」


それは想像の10倍以上の規模で水を発生し続けていた。

「な、なんで最長の魔法使いよりも大きい魔法陣ができるのよ!!」

「ご主人様!?」

「まぁコイツは規格外だからにゃぁ・・。」


「すごい・・・というかそれよりも魔力は大丈夫なのですか!?これだけの規模であれば死んじゃいますよ!」

「そうだ、お姉ちゃん。体に異常はないの!?」


「なんとも無いけど・・・。というか胸を揉もうとするな。」


「ちぇっ。」


「こいつの魔力量はわからないにゃ。」


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