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私の豪運はお姉ちゃんを届ける。

カラン

その涼し気な音を立てながら私達はその宝石店に入店した。

アンティーク家具が並び、机だけでなく壁にもネックレスなどのアクセサリーが飾っている店内が目の前に広がる。

窓を一枚を隔てて外の様子から隔絶されたかのようなそこは、ゆったりとした時間が流れており喫茶店のようであった。

「凄いおしゃれ・・・。」

「何ここ!」

「こんなところがあるんだにゃ・・・。」

「すごいなー」


入店音を聞いた店主が奥から出てくる。

「いらっしゃいませー。」


その店主を見た私達は固まる。

「えっ!?」

「は?」

「にゃにゃ!?」

「ちょっと待って・・・・。」


その様子を気にしてこちらを見てきた店員も固まる。

「お客様・・・・えっ!?」


私はその店員と見つめ合っていた。

ひと目見て恋に落ちただとか、実は知人だったということではなく。

正確に言うと知人ではあるが・・・・。


「めっちゃ似てるんだけど・・・。」

「ご主人様そっくり・・・・。」

「おねーちゃんが二人。」

「だにゃ・・・。」



リロは僅かな違いを見つけたようでそこを指差した。

「でも胸は向こうの勝ちね!」


ゴツン!

「うぅ・・・。」


「姉妹と言われても信じちゃうにゃ。」

「ですね。」


更に店員と私は恋に落ちたかのように見つめ合っていた。

「えーっと・・・いらっしゃいませ・・・?」

「いらっしゃいました・・・。」


当然、こんな面白そうなことは中々無いので楽しむことにする。

「お姉ちゃん!!」

そう言いながら店員を抱きしめた。


私以外のその場に居た全員が驚いた。

「ええええっ!?」


「うぐっ・・・ちょっとお客様・・・妹様!?・・・えっ!?」


反応を見るにレアちゃん以上に大人しい性格のようだ。

そしていじり甲斐がある・・・。

「か、感動だにゃ・・・。」

「ご主人様、そうだったんですね。」

「うーん。」


「し、心配したんだから・・・。」

「は・・・はい・・・。」


やはり何かとは言わないが私よりも大きいようだ・・・。


「い、妹・・・さん・・・」


仲睦まじい姉妹フィールドがそこに形成されていた。

しかし、ロリがそこに割って入る。

「私も妹なんだから!」


「えええっ」


嬉しそうにロリは私と店員を両手で引き寄せる。

「夢にまで見た、ダブルお姉ちゃん・・・」


それを追従する様にレアちゃんが加わる。

「トリプルですよ」


「変な奴らにゃ。」


「えいっ」

手をかざす。


「にゃにゃ!?私が真ん中にゃ!?」

それはもう側から見れば、さぞかし怪しい光景だろうという事が分かるほどの様子だった。


「何だか、楽しいですね。」


5分後ロモが目を回し出したので、そろそろ本題に入る事にした。


「冗談でしたか。安心しました。」

「ごめんね。似てたから」


店員は優しく微笑む。

「はい、大丈夫です。私も姉役楽しかったです♪」

(何て、私の次によく出来た子だろう。)


「おねーちゃ・・・」


ロリは店員に後ろから抱きついていた。

前世ならセクハラでつまみ出されている所だろう。


「ちょっと、先程から胸を揉んでくるこの子は一体・・・」


「ただの天才変態魔法少女です」


「あ、は・・いっ!!」


「リロさん、いい加減にしないと私怒りますよ?」


ロリは2人の姉に謝った。

「ごめんなさい。お姉ちゃん。」


「はぁっ、はぁっ。その、ご用件とは・・・」


「これを作って欲しいんですけど、お姉ちゃん・・・」


「ご主人様のお姉ちゃんは私ですからねっ!」


「お前らもいい加減にするにゃ。」


「お姉さんいっぱいですね。これは・・・」

店員は不思議そうにスフィアブレットを見つめていた。

「この杖のスフィアなんだけど・・・」

そういうと金属製のケースを開ける。


私は事情を話した。


「ええっ!?スフィアが壊れるほどの魔力を持ってるんですか!?」


「そうなのよ。このバカは!」


「何でリロが威張るんだ。」


「妹だから!文句ある?」


「あっ、無いです・・。。」


「魔力が強過ぎて壊れるなんて、聞いた事ないですよ」


「最強の私でも壊れないのに、おかしいのよ!」


「最強?魔法が得意って事ですか?」


「私、最強の魔法使いだから。」


「えええっ!先程から無礼を・・・。」


少女は名声を使って堂々とセクハラの続きを行う。

「ほら、さっさと服を脱ぎなさい。」


「ふえええっ!」


「リロさん?私言いましたよね?」


「うぅ・・・」


箱に入っているそれを店員に見せた。

「それでこの杖ですか。何だかかっこいい杖ですね。」


レアちゃんは私に似ている店員の手を握り締め目を輝かせている。

これが普段、私達の仲睦まじい様子なのだろうか。

「分かります!?なんかこう刺さるものがあるんですよ!」


「はい、私も思いました!」


その流れで女子トークと言うか、私の姉トークが始まる。

1時間後、ティーカップをお皿に置いたレアちゃんはここまでの出来事を話し終える。

「という事で、ギリギリの所でこの獣人の領主様を救えたんですよ!」


手を合わせ驚く店員。

「まぁ、何て素敵なお方何でしょう!」


2人の姉はこれでもかと言う尊敬の眼差しをこちらに向けてきていた。

「ね、ご主人様!」


「う、うん」


「分かりました!このレノ=アルバート喜んで協力します!」


更に4人は同時におろどいた。

「!?」


「今なんて?」


「分かりました。と・・・何か、私失礼を・・・」


「お姉ちゃん、その後だよっ!」


「レノ=アルバートと言いましたが、何か可笑しかったですか?」


「名前も私と同じなんだけど・・・」


「ええーっ」


「性格は正反対だけど。」


ゴツン!

「うぅ。」


「なんか運命感じちゃいますね。」


「だねー」


しかし店員はなぜか申し訳なさそうにする。

「ですがこれほどの加工となると・・・お値段が・・・。」


「ん?いくらぐらい?」


「き、金貨2枚ほど・・・・・」


4人は同じリアクションをする。

「やっす!」

私のせいだろうか全員が金銭感覚が麻痺しつつあるようだ。


「ふえええっ!?や、安いですか!?」


「うん。ならお願いしようかなー」


レアちゃんが買い付けてきたスフィアの原石の入った袋を取り出す。

「こ、こんなにいいんですか!?」


「何なら今後もお願いしたんだけど良いかな?」


「うぅっ・・・・。」


「どうしたの??」


店員が涙目でうつむく。

「わ、私・・・両親が死んでからここを一人で切り盛りしてきたんです・・・。大戦もあって結構ギリギリで・・・。」


「そうだったんだ・・・。辛かったんだね・・。」


「はい・・・・やっと報われた気がします・・・。」


「よかった」


上目遣いでこちらを見てくる。私に似ているはずなのに可愛さを感じる。

「それと、その・・・た、たまにでいいので遊びに来てくださると嬉しいです・・。」


「やだ!」


「そ、そんな・・・!」


「ご主人様、あんまりですよ!」


私は席を立って宣言した。

「いや、レノ=アルバートちゃんはずっと私達の側いるよ。」


「い、妹様。それってどういう・・・・。」


「ご主人様それって・・。」

「レノ、お前・・・・。」


「私はここの宝石店を・・・・いや・・・。」


そこでさらなる野望を思いつき、ニヤける。

それはあの家出の経験をした私にしかできないことであった。


「私は海運業者、レノ・シッピング・カンパニーを創設する!!」


4人が驚いた。

「ええーっ!?」


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