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私の豪運はニチアサを届ける。

テウリア領ーギルド



目の前の少女は両手を広げて笑顔で飛び跳ねながらでおねだりをしていた。


「おねーちゃん!ぷいきゅあ、プイキュア見せてー。」


そう呟く彼女こそ、王国の最高学府を飛び級で首席卒業した、世界に数十人しかいない魔法使いの子孫の天才少女である。


ふっ・・・私の手に掛かればこんなものだ・・・。


笑顔でタブレット端末を渡した。

「ありがとう。おねーちゃん。」


少女は慣れた手つきで、端末を操作をしてアニメを見ていた。


「ぷいきゅあー、がんばえー」


当ギルドの最高魔法責任者のご機嫌な様子を背景に、私達は目の前の人達と話し合っていた。


「国王様、本日はどの様なご用件で?」


「うむ、先日伝説級モンスターの撃退報告をしてくれたこの3人に対しての非礼を詫びたいのじゃ」


「あ!?」

レアちゃんを散々罵った奴が何を今更・・・・・


機嫌の悪そうな私の態度を見た国王は怯え出す。

「ひ、ひぃいいいいい。」


レアちゃんは目を合わせまいと、下を俯いていた。

クッションは大人な振る舞いを見せ、冷静な対応をとる。


「国王陛下、わざわざありがとうございますにゃ。」


「うむ、それと競馬場での件だが…」


「返さないよ!」


「あぁ、それは我々の過ちの罰として受け入れよう。」

罰とは?考えを改めなおしたって事??


「それだけ?」


「ひぃいいい」


「無論それだけでは無い、更なる報酬を授けようと思ったのだ・・・」


「要らない」


「なっ!?貴様不敬であるぞ」


「そうにゃ。」


うーん、現状足りてるしなぁ・・・。

足元に置かれている金属製の箱を撫でる。


まぁ嫌がらせついでに、提案してみるか。

「なら、私が使っても壊れない杖が欲しい。」


「何!?貴様が使うと杖が壊れるのか?」


「そ」


私はギルドの端の方に山積みにされた杖の残骸を指差す。

そこには、“ご自由にお取りください。”と張り紙が貼ってあった。

「おぉ、何という事か・・・」


国王とその配下は唖然としてそれを見ていた。

その残骸の中から偉そうな男が杖を取り出す。

「貴様!これは我が国に伝わる秘宝ではないか!?」


そう言えば競馬場の支配人に払うお金が無いからこれで許してくれって、渡された一際豪華な杖があったっけ?


後ろでプイキュアを見ていた、当ギルドの最高魔法責任者殿が呟く。

「それですら壊れちゃうんだよ」


「うーむ」


「正確に言うと、スフィア部分が壊れるからそれをなんとかしないとね。」


「分かった!善処しよう」

なぜか国王はあっさりと提案を受け入れた。


「で、そちらの少女は?」


隣の偉そうな男が呟く

「国王様、例の天才少女でございますじゃ」


「何!?歴代最高とも謳われる天才魔法使いか!?」


「そ」


「その様なお方が何故こんなところに!?」


「だって、このギルドの最高魔法責任者だから」


「何だと!?」

何と言う事だ・・・我が国の最高の魔法使いですら天使に魅了され寝返ってしまったと言うのか!?

想像したとおり、大戦どころの話ではない・・・世界すら危うい状況ではないか!!


偉そうな男が少女に話しかける

「我が国に仕える気は無いのかね?」


少女は不機嫌そうな顔をして呟く。

「私、断ったよね!?権威だけの古臭い組織に興味ないって!」


「うーむ」


「それにこれ!これが私が求める最強なの!!」

そう言うと少女は国王にタブレット端末を見せる。


「おいおい・・・」


そのタブレット端末を見た国王は驚く。

「何だこれは!?箱の中で絵が動いているではないか!!」


それを隣で見ていた偉そうな男が叫ぶ。

「それに何だ!この美少女の使う魔法は・・・この様な魔法、史実には存在しておらんぞ。」


その少女は熱く語り出した。

「そこだけじゃ無いわ!この圧倒的な魔力を見てご覧なさい!!」


「力強く、それでいて可憐・・・素晴らしい!」


それを見ていた配下たちは声を荒げだし、騒々しくなる。

「何と言う神々しさか」

「美しい。まさに天女だ」



どうやらプイキュア視聴会が始まってしまったらしい。



当ギルドの最高魔法責任者殿が叫ぶ。


「ぷいきゅあ、がんばえー。」



その様子を見ていた国王とその配下もそれに追従する様に叫ぶ。


「プイキュア!がんばえーっ!」



何?この地獄絵図・・・・・。




国王は涙を流していた。

「こ、これこそ我が国が歩むべき魔法の理想形だ」



もうダメだ。この国は・・・。

ニチアサが何処かの国の魔法の行く末を導いてしまった様だ。



国王は私の手を握り呟く。

「天使殿、これは何と言う教典か!?」


教典?それに私が天使??外見だけ見ればそうかもしれないが・・・急にどうしたのだろう。


「これは、“キラッとプイキュア!ハートマックス!”と申します。」


「キラッとプイキュア!ハートマックス!・・・おぉ、何と素晴らしい響きか!」


「えぇ・・・・。」


私の目の前に先程まで威厳を放っていた国王が感動して涙を流しながらニチアサアニメを見ている光景が広がる。


これはこれで、キツいのでそろそろお帰り願う事にする。


「で?いつ謝ってくれるの?」


ハッという顔をして国王とその配下達はゾロゾロと並び一斉に頭を下げる。


「伝説級モンスターを撃退してくれた恩人に対しあのような非礼な態度、本当にすまなかった。」


「どうする?」

レアちゃんの顔色を伺う


「はい・・・許します・・・」



「いいの?こんなクズ達を許しちゃって?」

国王達の顔が引き攣る。


「私はご主人様がいれば何も要りませんから。」

ここに天使がいた。


「という事で国王陛下よろしいですかにゃ?」


「あぁ、杖の件考えておこう・・・。」


「分かった。」


その後国王達はギルドを去って行った。

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