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私の豪運は怒りを届ける。

数日後、私達は王都に居た。

これぞ異世界と言った洋風の家が立ち並び、遠くには王城らしき建造物が見える。


私はレアちゃんと手を繋ぎ、歩きながら王都を散策していた。

「これだけでも不幸がほとんど発生しないね。」


「はい。それとご主人様と繋げて幸せです!」


「ほんとに仲が良いにゃね。」


そしてテウリアとは比べ物にならないほどの人が行き交っている。

獣人が珍しいのか人々の視線が時折向けられてくる。

「な、なんだか恥ずかしいですね・・・・。」


「まぁこんなもんにゃ。」



その後、私達は王国の王城にいた。


そこには玉座に座りふんぞり返っている国王と呼ばれる男が、髭を(いじ)りながらこちらを見ていた。


此度(こたび)の活躍、ご苦労であった。」


「はい、ありがとう御座いますにゃ。」


「史上初の功績と聞いておる。こちらも最大限の褒美を与えたいところだが・・・・」


ところだが・・・???

私はその言葉に不快感を覚えた。


国王の顔が芳しくない。周りの将軍や兵士達も少しざわついている。

「ところで、その娘は?」


「はい、ハーフドラゴンですにゃ。」


国王は諦めた様子のようだった、兵士たちは顔をそむけだす。

「ふむ。であれば・・・。」


国王は隣りにいた補佐らしき人物に目配せをした。

「テウリア領主並びにその従者よ、褒美を与える。」


王国から提示されたのはテウリア領の関税優遇措置と、ギルドに対しての依頼優先の2つである。


史上初の撃退という功績に対して、私でも少なすぎるとわかるほどの報酬だった。

何かがおかしい・・・。


「ちょっと待って!」


「お前!?座ってろにゃ・・・。」


「なんじゃ、小娘?」


「この報酬は些か少ないと思います。」


「ふむ。原因は、その娘にある。」


国王はレアちゃんを指さしていた。


「は?」


私の嫌な予感が見事的中した。


「ハーフドラゴンと言ったか?龍族は古来より災いを司るという言い伝えがあってだな・・。」


補佐らしき人物は話す。

「魔王軍と結託し戦争まで起こしよって!此度(こたび)の襲撃もその娘の仕業であると考えるのが妥当じゃ。」


「お待ちくださいにゃ。」


それは当たっていた・・・私は、それ以上聞きたくなかった。


その言葉を聞いてレアちゃんが呟く。

「わ、私は!!」


「黙るのじゃ!(いま)まわしき龍族の血を持つ娘よ!」


その言葉を聞き、レアちゃんが泣き出した。

「う、うぅ・・・。わ、私だってこんな・・・」


生まれ持った境遇によってこんなに扱いが変わるなんて、今まで思っても見なかった。

豪運によっていかに自分が楽してきたかを同時に思い知り、やるせない気持ちで溢れかえった。


そしてレアちゃんを冷遇されて黙っているわけにもいかなかった。

「おい!」


私が前に詰め寄ろうとするとクッションに手で遮られた。

「レノ、待つにゃ。」


見渡すと、周りの兵士たちも構えていた。


「なんじゃ小娘。貴様も龍族の味方をするのかのう?」


人を本当に殴りたいと思ったのは、生まれて初めてだった。

私は拳に力を込める。


クッションが私の手を掴んで、すごい力で握ってきた。

どうやら、私と同じ気持ちのようだった。


「失礼致しました陛下。我々は退出いたしますにゃ。」


「うむ。」


「こうやって、見逃しているだけでもありがたいと思うのじゃ。」


私は小言を呟いた。

「くそが・・・・。」


その後王城を後にした私達は馬倉に向かっていた。


「何だよあの国王!私達の苦労も知らないで!!」


「ご、ごめんなさい。ご主人様・・・私のせいで・・。」


その言葉を聞き、レアちゃんを抱きしめていた。

「そんなこと無いよ。私こそ言い返せなくて・・・ごめん、レアちゃん・・・。」


「昔はあんなんじゃなかったんだけどにゃあ・・・。」


いっそのこと、こんな国滅んでしまえばいいと思った。


これも不幸ということで、どこかにぶつけたかった。



馬の旗を掲げた門を私は指差す。

「ちょっと・・・よってこっか♪」


「あっ・・・。」

「しょうがないにゃぁ・・・。でも余裕は金貨3枚ぐらいにゃよ。」


「十分っ!!!」

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