私の豪運は奇跡を届ける。
「うぅっ・・・・・。」
気がつくと私はどこかの山頂の茂みに居た。
どうやらマグナ・クエークの攻撃で飛ばされたようだった。
「あっ、奴隷ちゃんとクッションは!?」
周りを見渡すがどうやら近くには居ないようだ。
よく見ると遠くの風景が移動している。
「ということはここは・・・マグナ・クエークの背中・・・。」
不老不死のクッションは大丈夫として、奴隷ちゃんが心配だった。
私はあることを思い出し手をかざす。
すると傷だらけの奴隷ちゃんが目の前に出現した。
「だ、大丈夫?奴隷ちゃん!」
「うぅ・・大丈夫です・・・。」
「ごめん、私のせいで・・・。」
「いいんですよ・・・、ご主人さ・・ま・・・。」
私は気を失った奴隷ちゃんを抱きかかえていた。
このままだとテウリアは消滅し、虫の息である奴隷ちゃんは本当に死んでしまうだろう。
自分にだけ向けられた豪運に対して、大切な人や場所を守れない悔しさが込み上がってくる。
「何が豪運だ!大切な人も守れないで・・・。」
次の瞬間、謎のピリピリした感覚が体を襲う。
特に手にその感覚は集中しているようだ・・・。
「何?これ・・・。」
さらに手が光りだす。
「!?」
自称神様を殴る前の怒りに似た感覚・・・そう、あの感覚だった。
今なら行ける・・・そう私は確信した。
私は叫びながら拳を地面に叩きつけた。
「奇跡の一つや二つ、起こしてみせろよ!!このクソ運命っ!!」
拳を叩きつけた瞬間、地面にヒビが入っていく。
ヒビの中からまばゆい白い光が差し込む。
「っ!?」
・・・
目が覚めると周りには大空が広がっていた。
異世界に来たときのような、心地よい風が頬を撫でる。
「こ、ここは・・・・」
「おはようございます。ご主人様。」
私は奴隷ちゃんに抱きかかえられていた・・・。
「ど、奴隷ちゃん!?それにその翼!!」
奴隷ちゃんには立派な黒い翼が生えていた。
その翼は不気味というよりも何か品のある美しい翼だった。
そして傷だらけの状態が嘘のように消えてた。
「そ、そうですよ!わ、私飛べてます!!」
「えぇ!?どうして??」
「気がついたら飛べてました。こうしてご主人様を救えて幸せです!」
「よかった・・・。そうだ!マグナ・クエークは!?」
地上をみるとマグナ・クエークが居たであろう痕跡だけが残っている。
「ど、どういうこと!?」
「私が目覚めたときには居ませんでした・・・。」
よくわからないが、どうやら危機は去ったようだった。
これも豪運が発動したおかげなのか?
遠くに見えるテウリアも半壊程度で済んでいるようなので現状良しとしておく。
文字通りの奇跡が起きたようだった。
奴隷ちゃんが後ろで何かモジモジしている。
「あ、あのご主人様・・・。」
「どうしたの?奴隷ちゃん。」
「その・・・・名前がほしいです・・・。」
「名前かぁ・・・。」
「はい。」
思い返せば、出会って以来・・・ずっと奴隷ちゃんだったなぁ・・・。
「そうだなぁ・・・。レアっていうのはどうかなぁ?」
「レア?」
「うん。珍しいとか特別なって意味だけど、私にとっての奴隷ちゃんはそんな感じだし。」
その言葉を聞き、嬉しそうに頬をこちらに擦り付けてくる。
「はい!ありがとうございます。ご主人様!」
「じゃぁ今日からよろしくね。レアちゃん!」
「はいっ!」




