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アパートの影
アパートに囲まれた公園で
遊びたいと言ったのは僕だ
それなのになんだか重い
降りかかる影が重い
何百もの視線が重い
それが塊になって重い
おまえは砂で何を作っているのだ
時間を隠してやろうか
ひとりぼっちにしてやろうか
水道を探している場合じゃない
汚れたままの手のひら
振りまわしながら走った
ママとママの誰かさんは
小鳥のように話しながら
ゆっくり影に入ろうとする
日向に行こうよ 日向に
笑って飲まれることはないよ
恐る恐る見上げたら
やっぱりのぞき込んでいる
帰るときを恨んでいる




