80/866
崩れゆく砂山
夏の終わりの砂浜
サンダルがひとつ落ちていた
派手なストライプ
君のものに似ていた
出会った日から夢中で
砂山を作り続けたね
波の来ない場所を
選んだはずなのに
子供の頃 ひとりぼっち
夢と遊ぶ午後のよう
前よりも見えにくくなって
前よりもわからなくなって
そしていつの日か君は
僕の知らない人になる
君はいつからそんなに
投げやりな気持ちだったの
波にさらわれて
砂山が崩れてゆく
子供の頃 人ごみで
迷子になった日のよう
熱に苦しむ君がいた
雷怖がる君がいた
いなくなってぶり返す
もっと抱きしめればよかった
前よりも見えにくくなって
前よりもわからなくなって
そしていつの日か君は
僕の知らない人になる




