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JAMAIS VU
君に話しかけられても
まだここにいないみたい
テーブルもコーヒーも
いつもと変わらないのに
今なら見慣れたものすべてに
はじめましてと言えるよ
壁の絵が息づいて
本棚が目新しい
生まれたての子供のように
世界が不思議であふれてる
懐かしいと思う気持ち
なくしてしまったみたい
君の横顔 眺めて
誰なのか考えそう
今なら鏡の自分にさえ
はじめましてと言えるよ
カーテンのデザインが
ゆっくりと浮かび上がる
奥行きがあいまいになって
世界が不思議で満たされる
このまま戻らないで
宇宙の隅のラビリンス
生まれたての子供のように
世界が不思議であふれてる




