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夕闇に包まれて
雨が窓にぶつかり
はじけ飛ぶ滴を
じっと眺めるあなた
夕暮れを待っても
今日は来そうにないよ
部屋は闇に包まれ
かすかに横顔が
影絵のように浮かぶ
もう諦めなよと
言うこともできなくて
振り向いたら私がいるのに
忘れられぬ誰かの
まぼろしを見ているの
青白い光へと
吸い込まれそうでも
じっとあなたを待つよ
思い出の汽車から
降りてきてくれるまで
振り向いたら私はそのとき
微笑んでいられるの
無邪気に腕を広げて
振り向いたら私がいるのに
忘れられぬ誰かの
まぼろしにおびえてる




