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冷たい背中
送ってやるよと肩をたたかれて
振り返った帰り道
赤いライダースーツが
とても似合っていた
いつからか何となく感じていた
あなたが秘めてる思い
二人とも踏み込めずに
卒業していった
速すぎる街路樹
凍える夜の風
急なカーブでしがみついた背中
あのときの大胆さに
私は今 救われてる
めずらしく家まで送ってくれた
あの日が最後になった
ただ待っているあいだに
諦められていた
離れゆくまなざし
訪れる沈黙
なだらかな道でしがみついた背中
大きいのに冷たくて
涙が後ろに流れた
速すぎる街路樹
凍える夜の風
急なカーブでしがみついた背中
あのときの大胆さに
私は今 救われてる




