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WINGS
追い風に背中押されて
空に舞い上がった
さっきまでいた町見下ろせば
寂しさあふれてくるけれど
太陽に近づきたくて
あなただけを見つめていた
もうひとりでは戻れない
翼を持っていないから
激しい波が寄せてきて
足をさらっていく
何度転びそうになりながら
じっと踏ん張ってきただろう
あの海を漂いたくて
あなただけを信じていた
もうひとりでは帰れない
ボートを持っていないから
カモメがそばを飛んでいく
あなたはなんて自由なの
もうひとりでは戻れない
翼を持っていないから