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JUNE RAIN
街を濡らす銀の雨
無限に生まれて落ちてくる
6月のステイション
駆け込む人を見ていた
二人でいても寂しい部屋に
帰りたくないから
あなた一度も無理するなと言わなかった
私 一度も苦しいと言わなかった
ひどいことばかりしてきたあなたが
今はまるで天使のようね
罪滅ぼしはもういらない
早くどこかへ立ち去って
混んだ改札口の前
あなたが迎えに来ていた
雨のにおいを吸って
何も言葉を交わさず
小さなビニール傘に
二人で入り歩きだす
あなた一度も愛してると言わなかった
私 一度も別れたいと言わなかった
泣かされてばかりだった私が
今はまるで賢者のようね
埋め合わせはもういらない
早く合鍵を返して
最後まで愛せなかった二人が
今はまるで恋人同士ね
罪滅ぼしはもういらない
早くここから立ち去って




