496/866
砂に書いたラブレター
サーフボード抱えて
君が手を振っている
きらめく海をバックに
パラソルの下ひとり
足元を砂粒が
くすぐって吹いてゆく
大波がせまりくる
君が待っていた
なまぬるい潮風が
頬をすべってゆく
悲しくてもいい
いつもそばにいれるなら
いつしか見失って
君を探している
まるでスターゲイザー
ビーチボールがふわり
空を泳いでいる
冷えてきた潮風が
頬をすべってゆく
翳りだしたこと
いつまでも気づかないで
君が戻ってくる
その前に吹き消して
砂にしか書けない
ひとことだけのラブレター




