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赤い空
街の上を赤く染め
空が怪しく笑っている
まるで人の悲しみを映す
鏡のようだ
血のようににじみ
広がってゆく
戦争で燃えた街を
離れた丘から見ているよう
無情な時間の流れに
おびえながらも
どこか他人事
それに似ている
街の上のおぼろ月
空が妖しく笑っている
まるで人の醜さを映す
鏡のようだ
隠しきれずに
漏れ出している
狼がさまよう街を
離れた丘から見ているよう
無情な時間の流れに
抗えぬまま
どこか他人事
それに似ている
真っ赤な朝焼けは美しいけれど、どこか怖さも感じます。




