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コートなびかせて
ガラス張りのビルに
映り込むトパーズ
目を細めて歩いた
夕暮れの街
店に入りかけて
くぎづけになった
通り過ぎた背中が
君だったから
幸せはいつだって
消えるときを知らせない
のんびりと君のこと
待っていた頃に戻りたい
角を曲がる君が
きっと最後になる
追いかけたならもっと
風は痛くなる
誰も覚えていない
ほんの小さな出来事
まだ忘れていないなら
僕に気づいて振り向いて
これから平気なふりをして
ときどき現れる痛みに
耐えながら生きていくの
泣きそうになるくらい
吹きつけてくるビル風
どんな明日が来ようと
走るよ コートなびかせて




