461/866
桃色の鳥
桃色の鳥が一羽
大空に放たれる
守り抜いてきた
命をつなげるため
桃色の鳥が一羽
密林に迷い込む
飛び方を知らず
生きるすべも知らずに
影だけ見ればどれも
同じに見えてくる
消えても救われない
生き方もあるのに
桃色の鳥が数羽
夜になり襲われる
守り抜いてきた
輝きであったのに
救うことは尊く
ひとごとになれない
それぞれ救うものが
違ってもいいのに
声を上げても誰も
気づいてはくれない
悲しみに覆われて
素直に見られない
桃色の鳥が一羽
大空に放たれる
いつでも命は
選ばれ続けている




