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沖を眺めて
沖を眺めて
さよなら言おう
潮風あびて
さよなら言おう
君はボートを浸し
次の波へ
漕ぎ出した
一度寄せた波は
二度と引き返さない
昨日君が残した
砂の城を飲み込んで
雲は流れて
鳥はまぎれて
たたずむものは
どこにもいない
小さなサンダルが
片方だけ
埋もれていた
最後に見た君の
太陽に消える背中
絵のような逆光
今も焼きついたまま
沖を眺めて
何を思おう
夕陽見送り
何を思おう
君しか浮かばない
夏の終わり
海岸線
賑わっている海より、シーズンオフの静かな海が好きです。




