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LIE
私の噓に傷ついたと言うけれど
あなたのその傷見せてごらん
明日には忘れているくせに
私の嘘は自分に深く刺さるの
あなたはいつでもそんなだから
この赤い傷が見えないのよ
見える人にしか見えない
黒い涙を流しているの
苦しいのはいつだって
私のほうだと覚えておいて
私の嘘に気づいてくれる人でも
海の深さを感じるまでは
そのまま嘘をつらぬくつもり
私の嘘に寄り添ってくれる人は
瞳の奥に映る青さが
あなたのそれとは違っているの
子供の頃からひとりで
黒い涙を流してきたの
孤独なのはいつだって
私のほうだと覚えておいて




