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Jacket
君に手渡された
パーティの招待状
誘われるなんてまだ
なんだか夢みたい
どんな服を着れば
ほめてもらえるのだろう
髪のセットのしかた
教えてもらわなきゃ
重いゲートが開けば
ライトグリーンのガーデン
ミューズの噴水の向こう
プリンスの待つキャッスル
大きなシャンデリア
メリーゴーランドみたい
グラスを交わす音が
僕をひとりにする
愛されているんだね
笑い声が響いている
僕なんていなくても
困らなかったのに
君はまた引っ張られて
誰かとダンスを始める
一度も目が合わないうちに
パーティはもうフィナーレ
鏡の前で何度も
繰り返した「おめでとう」
ソファに置き忘れたジャケット
二人きりで会いたくて




