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ブレイク
ブレイクの合図で
君は水道まで
走っていった
水を頭から
かぶって笑っていた
短い髪を振って
グラスの上 駆けぬけて
ぶつかって転んで
ときどき目が合ったよね
今も輝いていて
僕のいないあの街で
アルバムの写真は
二人すました顔
真昼の光
降りるグラウンド
細く長いシルエット
それぞれにのびていた
グラスの上 寝そべって
青空をみんなで
なぜか眺めていたよね
今もそのままでいて
僕のいないあの街で
ブレイクの廊下で
すれ違う寸前
肩をたたかれた
振り返った君
まぶしい夏の陽射しの
向こうへ消えていった




