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ウサギの落書き
長い夢を見ていた
気がつけば教室の隅
机に広げたノート
ウサギの落書き
頬にはシャツのあとが
くっきり残って消えない
隣に座る君が
横顔で笑った
窓の外はいつもの校庭
どこにでもある一日
同じ夢の中には
もう二度と戻れはしない
黒板をたたく音が
悲しく響いている
ここから逃げたいと思うのは
もっとよく生きたいから
長い夢の途中で
やっと思い出せた気持ち
また探しにいきたい
ここにはいられない
みんな帰り支度
教科書かばんに詰め込んで
置き勉禁止のルールに
苛立つ毎日




