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ラストページ
にぎわうクラスの片隅で
鍵を捜していたあの日
君が肩をたたいてくれて
僕は恋に落ちたんだ
冬の西日がまぶしい窓に
君の名前を書いてみた
急いで消したら袖が濡れた
次の朝 友達が来るまで
こっそりノートに落書きした
君の名前にハートマーク
すっかり恋に落ちていた
ようやく席が近くなっても
微笑むだけで精一杯
答えは全部わかってるのに
待ち遠しかったランチタイム
君が前の席に座った
ノート貸してくれないかな
そう言ってのぞき込んだ
高鳴る胸を抑えながら
うなずいて差し出したとたん
大事なことを思い出した
どうか最後のページは見ないで
急いで名前は消したけど
跡がはっきり残っているから




