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初夏のプレリュード
夜明けの雨が
葉の色を深め
何か起こりそうな
薄曇りの初夏
さわやかな風が
吹いてくる窓辺
どこからか漂う
クチナシの香り
もうすぐ誰かを愛して
ひとりじゃできないことを始めよう
強い陽射しの中
訪れるプレリュード
昨夜の雨は
優しい子守歌
カーテンの向こうの
妖精のささやき
会えない誰かを愛して
長いあいだ夢を見ていたけれど
もう目覚めてもいい
待っていたプレリュード
もうすぐ誰かを愛して
誰かに愛されるために飛び出そう
もえる緑の中
訪れるプレリュード




