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La poesia  作者: roman
301~400 映画に夢中だった頃
322/866

顔のない少年

橙色に沈む街

今日はいつもより深く沈んで

遠くが白くかすんでいる

そんな日はきっと君に会う

いつものところですれ違う


バイク屋の前の信号

やっぱり君が歩いてきた

僕を見るなり笑顔になった

何を話したかは覚えていない

ただまた会いたいと思った


誰だかわからない

わかっているのは

僕より背が高くて

ランドセルが窮屈そうで

いつも向こうから歩いてくること


とても不思議に思えたのに

なぜか誰にも話さなかった

秘密にしていたかった


君に会えなくなったことに

気づいたのはずっと後

すっかり君のことを忘れて

友達と笑い合っているとき

ふと思い出した

橙色が深くなる日を

遠くがかすむ日を


君は今どうしているだろう

宝物をひとつなくしたようで

家に帰るとライトもつけず

しばらく横になっていた


いつしか会えなくなったこと

本当は少し嬉しかった

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