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月夜の線路の上を
私のかわりに傷ついた
あなたのことが離れない
誰もなぐさめないで
月夜の線路の上を
これから走っていくから
どこまでも闇の中へ
続いているような
どこの駅にも止まらず
終わりのないような
悲しみの列車に
ひとり飛び乗ったの
あなたがかわりに苦しんで
あの人が立ち直れない
どうしてあなたが今
私のそばにいるのと
思われてそうで怖いの
いつまでも闇の中を
抜け出せないような
ずっとこの先ひとつも
光のないような
悲しみのトンネルで
ひとり耐えているの
私があのとき傷ついて
今泣いていればよかった
誰もなぐさめないで
月夜の線路の上を
このまま走っていくから




