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ほめたその後
毎朝 席に着いたら
君が顔を近づけてくる
だけど残していくものは
かゆくなるほどのほめ言葉
もっと話したいけれど
なぜか言葉が出てこない
僕といてもつまらないと
気づかれそうで怖いんだ
ほめるだけほめて
みんな離れていく
ほめなくていいから
ずっとそばにいてほしい
嘘の向こうにはいつも
悪魔がいると思われる
本当のことを言ったって
誰かが悪魔に変わるだけ
そうはならない人だって
次の朝には忘れてる
だから困ったふりをして
無難にやり過ごすんだ
名前を呼ばれたり
答えを書くたびに
ゴーストは見えてしまう
驚かしたくないのに
ほめるだけほめて
みんな離れていく
ほめなくていいから
ずっとそばにいてほしい