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キリン草のハイウェイ
長すぎた恋は
あっけなく壊れて
思い出と走る
キリン草のハイウェイ
河原ではしゃいだ
二人をつなぐもの
何もなくなって
もう口もきかない
夢にまで見た恋なのに
デートを重ねるたび
あなたのことがわからなくなった
去ってゆく背中
出会ったときのまま
少し猫背で
大きいのに寂しげ
走ることはない
きっとこれが最後
暮れてゆく空に
続いているハイウェイ
夢にまで見た恋だった
今は錆びた憧れ
窓を開けて風に逃がそう
あの頃が懐かしいのは
そのときあったものを
もうなくしたと知っているから




